2021年度福音館書店の月刊絵本

お楽しみガイド

こどものともシリーズは、福音館書店が発行する月刊絵本です。毎月絵本が届きます。お楽しみガイドは「どうやって読んだらいいの?」「絵本ってなに?」のような基本的な疑問から、「この作家さんをもっと知りたい」などマニアックなところまでお伝えしていきます。絵本から広がる世界への扉へ。ようこそ!

2021年11月号

こどものとも 0.1.2. 2021年11月号

さんかく ならんで

三角形で、いろんな表現が登場します。少し手を加えると、三角がただの三角じゃないように見えてくる。あかちゃんには、どういうふうに見えているんでしょうね。三角とは考えていないかも……。表紙も見つめると、いろんなものに見えてきます。今のぼくには、真ん中の六角形がくっきり見えていますよ。

シリーズ:こどものとも 0.1.2.
書  名:さんかく ならんで
作  者:中辻悦子 さく
刊  行:2021年11月

中辻悦子さん
1937年大阪生まれ。兵庫県在住。『よるのようちえん』『まる まる』(福音館書店)などの絵本のほかにも、舞台美術を担当するなど幅広くご活躍されています。

・『まる まる』福音館書店
・『まるてん いろてん』福音館書店
・『もこ もこもこ』文研出版

三角のフェルトや画用紙を用意したくなりますが、もっとほかにもアイデアがありそう。形と色とイメージが結び合って、気持ちが動くといいなぁ。

一度だけ、中辻さんにお会いしたことがありました。元永定正さんを札幌の講演会へお招きしたときに、ご一緒にいらしていました。ご挨拶しかできませんでしたけど(残念)。このお二方のなさった仕事は、大きいです。


こどものとも年少版 2021年11月号

ひとりぼっちのけいとだま

家にひとりぼっちになったけいとだま。おばあさんに会いたくて、ころころと窓から飛び出して、探しに出かけます。心細くて寂しいという気持ち。そしてドキドキしつつも、見たことのないものへの興味関心を寄せながら、ようやくおばあさんを見つけます。でも転がりつづけた毛糸は、糸が解けて小さくなってしまいました……。
小野寺さんの文章は、とても口馴染みよく軽快に読み進めることができます。音が身体に優しい感じがします。

シリーズ:こどものとも年少版
書  名:ひとりぼっちのけいとだま
作  者:小野寺悦子 文 / ささめやゆき 絵
刊  行:2021年11月

小野寺悦子さん 文
1942年岩手県生まれ。放送会社勤務後、創作活動を始める。絵本には『もじもじこぶくん』『つららが ぽーっとん』『あーと いってよ あー』(福音館書店)などがある。どの絵本も印象に残るものばかり。言葉がいいんですよ。

ささめやゆきさん 絵
1943年東京生まれ。『ガドルフの百合』(偕成社)で小学館絵画賞受賞。『ぽぽんぴ ぽん』(福音館書店)など多くの絵本を手掛けられています。名前と絵が印象的で「あ、この絵!ささめやゆきさん?」と、すぐに覚えてしまいます。

なんとなく、転がっていくようなお話を読みたくなります。
・『おだんごぱん ーロシアの昔話』福音館書店
・『だんごむしの ダディ ダンダン』福音館書店

指編みで、毛糸の帽子をつくるのはいかがですか?

編み物が大好きなおばあさんなんですね。馬のたてがみも編むくらいですし。折込付録で、小野寺さんは、毛糸玉がおばあさんを探し当てることができた理由を、絵を見ながら気がついたそうです。「なるほど!」って思っちゃいました。ささめやゆきさんの絵って、なんかいつも気になるんですよね。どうやって描いているんでしょう。


ちいさなかがくのとも 2021年11月号

あなほり くまさん

北海道の自然を大胆にとらえて、まるでその動物になったかのように描くあかしのぶこさん。今回はひぐまの親子です。冬眠のために地面に穴を掘り始めるお母さん。たくさん食べて、そして穴の中で春になるまで眠る。そういう生活もいいかもなぁなんて思ってしまいました。身近には知らないことがたっくさん。知らないことだらけです。
出没すると騒ぎになるヒグマですが、そのヒグマにもお母さんがいて、子育てしていて、森の中で生きているんですものね。

シリーズ:ちいさなかがくのとも
書  名:あなほり くまさん
作  者:あかしのぶこ さく
刊  行:2021年11月

あかしのぶこさん
京都生まれ。北海道在住。ろばのこにも来てくれたことのあるあかしさん。今月ろばのこで原画展も開催します。北海道出身のぼくよりはるかに、北海道を愛していらっしゃる。そしてそれを絵本に詰め込んで、こどもたちに届けようとする情熱溢れる人です。

・『ふくろうのこ おっこちた(ちいさなかがくのとも2020年5月号)』福音館書店
・『もりの みんなの やまぶどう(ちいさなかがくのとも2010年11月号)』福音館書店
・『ももんがの ふゆの おうち(ちいさなかがくのとも2015年12月号)』福音館書店

山にはたくさんの生き物たちが住んでいますが、ぼくたちからは姿を隠しているので、見ることは難しい。冬なんか、どこにいるんだろうっていうくらい静かで真っ白です。鹿やリス、きつねにはよく出会いますが、ヒグマにはいまだ出会ったことがありません。いつか出会うことがあるんだろうか……。


かがくのとも 2021年11月号

こんぶ

こんぶは、みんな毎日お世話になっているのに、どうやって増えるのか、どうやって暮らしているのか知る機会はほとんどない!それに、あまりにも身近すぎて、ぼくたちの住んでいる島が天然昆布の中心的な生息地だということに、改めて気がつかされました。淡々と物語は進んでいくのですが、おもしろい発見ばっかり。

シリーズ:かがくのとも
書  名:こんぶ
作  者:川井唯史 ぶん / 成広のり子 え
刊  行:2021年11月

川井唯史さん 文
1964年生まれ。北海道の「昆布森海岸」で、こどもの頃は昆布干しの手伝いをして育った。水産系の大学で博士号を取得し、北海道の公立水産研究機関で研究者となり、昆布の研究に没頭して現在に至る。

成広のり子さん 絵
京都市在住。成安女子短期大学染織科卒。昆虫の美しさに心を奪われ、大海原に住む魚類・貝類・まだ見ぬ哺乳類に憧れを持ち、未知なる爬虫類に夢中。

北海道でとれる昆布を全種類比べてみたい。

絵本は、必ずしも知識を得るためだけのものではないのですが、好奇心をくすぐり興味が湧くと、一冊から得られる学びはとても深いものになります。ぼくにとって、なかなか刺激的な一冊でした。


こどものとも年中向き 2021年11月号

まっくらけーの けっけさん

こどもが寝ないと、大人は明日のこともあるし、どうにか寝かしつけようと知恵を絞ります。アメとムチを使い分けながら苦労するわけですが、けっけさんもそのひとつ。寝ないとやってくる「何か」で、こどもたちはそれを想像しながら、ふざけたり楽しんだりしています。大人が意図するようなことって、こどもにとっては全然違うように見えていたりするのだと思います。そして、身に覚えのある多くのこどもたちの心を掴む一冊ですよ。

シリーズ:こどものとも年中向き
書  名:まっくらけーの けっけさん
作  者:土田佳代子 文 / 垂石眞子 絵
刊  行:2021年11月

垂石眞子さん 絵
神奈川県茅ヶ崎市出身。 湘南の砂浜で遊び江ノ島を見て育つ。 現在は、あきる野市で美しい緑を眺めて暮らしている。 多摩美術大学卒業。サンリオ入社。退社後、絵本の世界に入る。『ぼくびょうきじゃないよ』『月へミルクをとりにいったねこ』(福音館書店)など多数手掛ける。

我が家では、月刊絵本が届くと、一通りこどもたちと読むようにしているのですが、この一冊は4歳の娘と何回も繰り返し読みました。こどもの頭の中を覗いてみたいなぁ。


こどものとも 2021年11月号

ゴリラ

迫力満点のゴリラが直接自分に語りかけてくる。そういう一冊です。ゴリラと対話しているような……。動物園で出会うゴリラ。ついつい、ほかの動物たちよりも通じ合うものがありそうで、いつも長い時間を過ごしてしまいますが、それと似たような、いやもっと身近な気がします。そうだなぁ。これは、ゴリラとお話しできる絵本です。

シリーズ:こどものとも
書  名:ゴリラ
作  者:小風さち 文 / 阿部知暁 絵
刊  行:2021年11月

小風さち 文
東京生まれ。東京都在住。ぼくの好きな絵本作家です。小風さんの文章は本当にいい。ゴリラもとっても好きです。なんでそう思うんでしょうね。言葉の感覚って不思議です。

阿部知暁さん 絵
高知県生まれ。大阪芸術大学卒業。ゴリラ画家。ゴリラが大好きでずっとゴリラの絵を描かれています。国内だけじゃなく、世界のゴリラを訪ねていくほど。テレビ番組で取り上げられたこともあるので、見たことのある人もいるかもしれませんね。

・『ぼく ごりら(ちいさなかがくのとも2005年1月号)』福音館書店
・『ゴリラが胸をたたくわけ』福音館書店
・『木のぼりごりら(たくさんのふしぎ2014年10月号)』福音館書店

動物園の年間パス

癇癪持ちのゴリラが登場するのですが、そこが本当に上手だなぁと。絵本全体の抑揚や起伏が、そこでダイナミックに展開していく。そしてゴリラは本来、森に住んでいるということ。それがしみじみ迫ってくる。なぜか、しんみりとした気持ちにもなります。


たくさんのふしぎ 2021年11月号

からだの中の時計

動物の体の中にある時計。24時間と少しずつズレているのですが、それを調整するのは太陽の光。その果てしなく過去に繰り返してきた暮らしが、今ぼくたちの中に詰まっているんですね。おもしろーい。
ちょうど、11月号の庭しんぶんのテーマになっている「記憶」について考えていたことが、内容にたくさん含まれていて、あーこういうふうに、出会うべくして本に出会うんだなと、いつも出会いに恵まれていることに感謝した一冊でした。

シリーズ:たくさんのふしぎ
書  名:からだの中の時計
作  者:吉村崇 文 / いとうあや 絵
刊  行:2021年11月

母の友 2021年11月号

こどもに聞かせる一日一話

短くておもしろい童話が三十話も掲載されているこの企画。母の友の創刊当時からあった企画なのです。企画が途絶えた時期もありましたが、本を片手にこどもに物語を語りかける、そういうことが今だから新鮮であり、意味があるのかもしれません。読んでみてくださいね。

2021年10月号

こどものとも 0.1.2. 2021年10月号

きのこのこ

4人兄弟のきのこの子が、野原を横切って、友達に会いに行くお話です。言葉の音も愉快に楽しめますし、きのこの子たちが坂を登ったり橋を渡ったりする様子は、乳児たちがドキドキしたり、ふだんから挑戦していることや遊んでいることとつながっています。ふだんよく見るような虫たちも登場しますよ。

シリーズ:こどものとも 0.1.2.
書  名:きのこのこ
作  者:得田之久 文 / ザ・キャビンカンパニー 絵
刊  行:2021年10月

得田之久さん 文
昆虫の絵本を探していると必ず出会うのが得田さんの絵本です。まるで本物のような昆虫の絵や親しみやすいタッチのイラスト、絵だけじゃなくて絵本の文章も手掛けておられます。いろいろな表現ができるんだなぁと眺めています。

ザ・キャビンカンパニー 絵
ぼくは、この絵本で初めて、この二人組の絵本作家に出会いました。おもしろそうな絵本があるなぁ。欲しくなりますね。

・『ふしぎな花 キノコ』福音館書店
得田さんが、折り込み付録でおっしゃっている売れなかったというきのこの本は、たぶんこれだと思われます。

・『ねられん ねられん かぼちゃのこ』福音館書店
音が近いので、どこか似ている気がします。

きのこというよりは散歩を楽しむってことだと思います。こどもたちは、きのこになりきって散歩に行ったりするんだろうか……。

マニアとしては、得田さんのきのこに対する愛情が、この絵本をしっかり支えているなぁと。そして、この絵。この組み合わせがなんとも素晴らしい。


こどものとも年少版 2021年10月号

あきをみつけたよ

まだ暑い日がありますが、もう残暑ですね。北海道の短い秋がやってきています。とんぼを捕まえたり、栗を拾ったり、落ち葉を集めたり。秋らしいことをたっぷり楽しみたいところ。だって、その後は長い冬がやってきますからね。北海道ではキンモクセイの香りに出会えないのが残念ですが、いろいろな秋がありますからね。ぼくは、ススキやガマを見つけると秋が来たなぁと思います。しみじみと読んでしまいそうです。

シリーズ:こどものとも年少版
書  名:あきをみつけたよ
作  者:平野恵理子 さく
刊  行:2021年10月

平野恵理子さん
山梨県在住のイラストレーター・エッセイスト。『ごはん』(福音館書店)が最近では印象に残っていますが、『ひらく』(福音館書店)もおもしろかったなぁ。柔らかく優しい線を描く作家さんだなと思っています。

平野さんの絵で季節を楽しむっていうのはいかがでしょうか?
・『はるをみつけたよ(こどものとも年少版2015年3月号)』福音館書店
・『なつをみつけたよ(こどものとも年少版2018年7月号)』福音館書店

季節を見つけたら、集めて置く場所があるとよいでしょう。

探し始めると、見つけることができます。「求めよ、さらば与えられん!」的なことですが、秋を探そうとすると、いろいろなところに秋が見えてくるものです。その視点を楽しむ。そういう時間が取れるといいですねー。


ちいさなかがくのとも 2021年10月号

ぼくの いしころ

ちいさなかがくのとも(通称:ちかとも)は、身近にある不思議に気がつかせてくれるシリーズ。今回のテーマは「いし」です。地面にはたくさん落ちてそうだけど、探し始めると「これだ!」っていう石は少ないもの。ましてや、こどもたちにとっては大人よりも新鮮に世界と出会うことが多いので、見つけた石はとても貴重にみえるのです。
ぼくも石ころが好きです。見つけると、ついつい拾ってポケットへ入れてしまうわけです。今回は、四国の清流へ取材して拾ってきた石ころたちが登場します。

シリーズ:ちいさなかがくのとも
書  名:ぼくの いしころ
作  者:中村文 ぶん / 齋藤槙 え
刊  行:2021年10月

中村文さん 文
ぼくは、この絵本で初めて出会いましたが、webサイトには野鳥がたくさん。そこに載っていたプロフィールもゆるーい感じで、気になります。さっそく本を一冊、注文してしまいました。

齋藤槙さん 絵
1981年東京生まれ。武蔵野美術大学で日本画を学ぶ。動植物を愛し、「こども心」と「物語性」を大切にした作品を、貼り絵やステンシルや染めなど様々な手法で発表している。たくさんの色を重ね混ぜ合わせることで、深く揺らめくような色を出し、心地よい余白を持たせた作品が多い。大学在学中から絵本づくりをはじめ、著作に『ぺんぎんたいそう』『ながーい はなで なにするの?』(福音館書店)『おひさま でるよ』(ほるぷ出版)などがある。

石の本はたくさんありますが、最近出会った石の本ではこれが最高!
『あたまにつまった石ころが』光村教育図書

石には、時間が詰まっています。圧縮されているというか……。価値があるかどうかというのは、拾った人によるわけですが、ありふれた石であっても、その人にとっては大事だったりもします。こどもが拾ってくるものってなかなか難しいですよね。無尽蔵に拾ってくる気もするし、なかなか大切にしきれないときもあります。「捨ててきなさい」なんて言ってしまうときもあります。どこかにためて置く場所があればいいんですけどね。


かがくのとも 2021年10月号

かげ みつけた

「影遊びツアー」へのご招待券のような一冊です。朝から夕方まで影と遊ぶことができます。身近にあるけど、気にしてみてみるとどんどん見えてくる世界ってありますよね。光と影もそのうちのひとつ。「かがくのとも」ならではの方法で、影を紐解いていきますよ。読んでから散歩に出かけてもいいし、散歩に出かけて影を見つけてから読んでみてもいいかもしれませんね。裏表紙の影は、何の姿に見えますかねー?

シリーズ:かがくのとも
書  名:かげ みつけた
作  者:竹山枝里 ぶん / いぬんこ え
刊  行:2021年10月

竹山枝里さん 文

いぬんこさん 絵
『おかめ列車』の印象が今も強く残っていますが、浮世絵などの日本の大衆絵画の滑稽さや哀愁に魅せられている人なんですね。絵の物語る力が強力! 

・『なんの かげ?』福音館書店
・『かげ』講談社
・『かげええほん』福音館書店

影で遊ぶって、おもしろいなぁ。最近やってないですね。なんか妙に真面目ぶったりしちゃって、遊び損ねるなんてもったいないなぁ。いぬんこさんの絵がそういう気にさせちゃうのかもしれません。世界をユーモアたっぷりに遊びながら味わう。これが自然にできるように、今すぐなりたいです。


こどものとも年中向き 2021年10月号

こだぬき ぽんたの ほしいもの

里山で暮らすこだぬきのぽんた。あるとき猫の首についている鈴が欲しくなります。それをお母さんに伝えると、思い当たる節があるようで、ぽんたを街へ連れて行ってくれることになりました。秋の夜長にぴったりなドキドキハラハラで読み応えのある物語。

シリーズ:こどものとも年中向き
書  名:こだぬき ぽんたの ほしいもの
作  者:たけがみたえ
刊  行:2021年10月

たけがみたえさん
1986年、東京都生まれ。版画家、画家。和光大学表現学部芸術学科卒業。とあるプロフィールに「長野で牛にかこまれた時の衝撃から生きものと目が合った瞬間「見たら見られた」をテーマに木版画を制作している。」とあって、おもしろい人だと思った。『マンボウひまな日』が、絵本作家としてのデビュー作となる。

思いつかないなぁ。鈍ってるのかなー。

鈴!

お母さんが「これじゃないかしら」って思ったものと、ぽんたが欲しいものが少し違うっていうのが、なんともこどもの現実をうまく捉えているなと。それでも、こどもは大人にちゃんと気を使って、大人の顔を立ててくれたりしますもんね。


こどものとも 2021年10月号

いなりまちゆき きつねでんしゃ

おじいちゃんのところへ遊びに行くこうすけくん。ひとりで電車に乗って出かけます。発車のベルが鳴ったので急いで電車に飛び乗ったのですが、どういうわけか全然違う町に着いてしまったのでした。なんとそこは、きつねたちが暮らす「いなりまち」だったのです。
この絵本、物語も面白いのですが、細かな絵に物語のヒントが隠されてます。さあ何個くらい気がつくかなぁー。

シリーズ:こどものとも
書  名:いなりまちゆき きつねでんしゃ
作  者:鍋田敬子 作
刊  行:2021年10月

鍋田敬子さん
1956年香川県生まれ。こどもの頃の記憶がフワッと蘇ってくる、そんな絵本をいつもつくってくれます。彼女が生まれ育った場所や経験を元に描かれているからでしょうねー。なんとなく、こどもに読んでみたくなる力がある。

・『うどんやの たあちゃん』福音館書店
・『なっちゃんが ちっちゃかったころの おはなし』福音館書店

何度読んでも新しい発見があるっていうくらい、細部に物語が埋め込まれてます。ここに書いちゃうとつまらないので、こどもと一緒にたっぷり読んでみてくださいねー。


たくさんのふしぎ 2021年10月号

コケの すきまぐらし

コケのことを調べると、蟲文庫の店主である田中美穂さんの名前に行き当たります。その田中さんが「たくさんのふしぎ」に登場したので、つい「おお!」となりました。ちょうど、公園にコケを見に行こうと思っていたところでした。さっそく、この本と『ときめくコケ図鑑』(山と渓谷社)を携えて、出かけたいと思います。

シリーズ:たくさんのふしぎ
書  名:コケの すきまぐらし
作  者:田中美穂 文 / 平澤明子 絵
刊  行:2021年10月

母の友 2021年10月号

大切なことの残し方

今月の特集は、ぼやっとしたテーマでありながら、なかなか切れ味のよい角度でした。齋藤陽道さんのエッセイが最高でした!MAYA MAXXの連載もありますよー。

2021年9月号

こどものとも 0.1.2. 2021年9月号

くるりん ぱくっ

「くるりん」と巻きつけて食べると、なぜかいつもよりたくさん食べられる気がします。手巻き寿司なんかが良い例です。組み合わせが楽しいのでしょうね。この絵本も、ごはんとのり、食パンとソーセージと、いくつかの組み合わせで巻いて食べる絵本です。絵なんだけどなんか立体的に見えるなと思ったら、正解です。あずみ虫さんは、アルミ板をハサミで切って色を塗って絵本をつくるんです。なんか、やってみたくなりますよね。

シリーズ:こどものとも 0.1.2.
書  名:くるりん ぱくっ
作  者:あずみ虫 さく
刊  行:2021年9月

あずみ虫さん
1975年。神奈川県生まれ。安西水丸氏に師事。アルミ板をカッティングする技法で作品を制作。絵本、書籍、雑誌、広告などの分野で活躍中。

・『じゅう じゅう じゅう』福音館書店
・『ぴたっ!』福音館書店

のりまきが、一番気軽にできる巻物でしょうか。レタスなんかもいいですねー。

絵のようでいて、浮かび上がっているようなこの感じ。平面だけど立体に見えてきて、どこか映像的な見え方がしますよね。絵が目に飛び込んでくる。そういう迫力があります。


こどものとも年少版 2021年9月号

おとうさんが ねるときは

とにかく背の高いお父さんがいました。なんと、寝ると家から足がはみ出してしまいます。さて、寝てる間、玄関からはみ出したままの足はいったいどうなってしまうのでしょう?「そんなん、あるわけないやろー」というツッコミも含めて、お楽しみください。

シリーズ:こどものとも年少版
書  名:おとうさんが ねるときは
作  者:岡田よしたか さく
刊  行:2021年9月

岡田よしたかさん
1956年、大阪府生まれ。画家・絵本作家。ぼくの印象に残っているのは、『うどんのうーやん』(ブロンズ新社)です。経歴もユニークな方で、この年少版を読んだら、また少しイメージが変わりました。

背が高い人が出てきて、眠る絵本って他にもありそうですよね。でも思いつかず、ロアルド・ダールさんの『オ・ヤサシ巨人BFG』(評論社)が頭をよぎりました。

思いつかないなぁ。

ありえないけど、ありえるかもしれない。そういう曖昧さをこどもたちは持っています。ないとは思うけど、もしかしたらあるかもしれない。大人になると、現実と空想を分けて考えるようになってしまいますよね。ないとはわかっていても、どこかそれを現実と混ぜて楽しめるこどもたちの想像力を借りて、一緒に楽しみたいものです。


ちいさなかがくのとも 2021年9月号

じゅうごや おつきさま

9月の満月をたっぷり楽しむための一冊。おつきさまの明かりや影遊び、お盆に映すおつきさま。いろんな遊びがつまった絵本になっています。家族と一緒に月を眺めるのもいいですね。晴れるといいなぁ。

シリーズ:ちいさなかがくのとも
書  名:じゅうごや おつきさま
作  者:高柳芳恵 ぶん / 松成真理子 え
刊  行:2021年9月

高柳芳恵さん 文
栃木県生まれ。「ちいさなかがくのとも」、「かがくのとも」で多くの作品がある高柳さん。折込付録の文章に「ナチュラリスト」という肩書きがあって、「あー、なるほど」とふに落ちたのでした。折込付録の記事も読んでみてくださいね。

松成真理子さん 絵
大分県生まれ。最近では、『ぎんいろぴかぴか』(福音館書店)の絵がとても楽しかった。講談社のインタビュー記事が飾らない感じで、ぼくの中の松成さんのイメージが変わりました。

・『お月さまってどんなあじ?』らんか社
・『つきのぼうや』福音館書店
・『おつきさまこんばんは』福音館書店

ススキやガマがある場所を調べておくといいと思います。

何気ない日常が描かれているのですが、その中にある家族や自然との関係性が心地よく描かれているなぁと、密度のようなものを感じました。なんでしょうね、この直感的な「いい!」って思う感じは。うまく説明できません。


かがくのとも 2021年9月号

ナナフシ

ナナフシを見たことがありますか?ぼくがこどもの頃は、見たことがありませんでした。大人になってから関西に遊びに行ったときに、初めてナナフシを見て、細いなーと思ったことを思い出しました。でも数は少ないですが、道南の方にはいるんですって。見たことない虫や普段なかなか出会うことのない虫も、絵本でじっくり出会うのもいいのかもしれません。脱皮や卵の形など、知らないことがいっぱいでした。知識は感動を通して学ぶことで、喜びとなります。一緒に好奇心を働かせて読んでみてくださいね。

シリーズ:かがくのとも
書  名:ナナフシ
作  者:稻田務 さく
刊  行:2021年9月

稲田務さん
1949年、兵庫県生まれ。山形県の庄内地方で、身近な自然を題材に絵を描いている。じっくりと虫と向き合って、丁寧に描いてくれる作家のおかげで、絵本でナナフシに出会えるのはありがたいことですね。

・『札幌の昆虫』北海道大学出版会
昆虫の図鑑ですが、これは優れもの。札幌近郊の方はぜひ。

ナナフシが見つかると楽しいんですけどねー。

昨日も捕まえたのに、また新鮮な気持ちで虫捕りをして、ダンゴムシでもトンボでも繰り返し捕まえて、夢中になれるこどもの姿っていいですよね。そのたびに、こどもの喜びを一緒に喜べるといいなと思っています。


こどものとも年中向き 2021年9月号

でんしゃで おでかけ

ぼくは大学卒業後、新宿駅のとなりの新大久保まで、神奈川県から通勤している時期がありました。そのときの新宿駅は、この絵本に描かれている様子とだいぶ変わっています。電車もさることながら、周りの風景や建物が電車と同じくらいしっかり描かれているのが、楽しいですね。こういう感じで、いろいろな路線の絵本があっても面白いかもしれません。絵を食い入るように眺めるこどももいるかもしれませんね。夢中になることがあるのは羨ましい。

シリーズ:こどものとも年中向き
書  名:でんしゃで おでかけ
作  者:ケッソクヒデキ さく
刊  行:2021年9月

ケッソクヒデキさん
1974年生まれ。東京工芸大学デザイン科卒業、第106回ザ・チョイス入選、第17回グラフィックアート「ひとつぼ展」入選、3x3 PROFESSIONAL SHOW NO. 7,8入選。JAGDA会員、TIS会員。

・『新幹線しゅっぱつ!』福音館書店

これ特になし。

残念ながら、ぼく自身はそんなに電車に興味がないのです。乗って移動することは好きなんですけどね。


こどものとも 2021年9月号

なぞなぞあそび これなーんだ?

なぞなぞの絵本です。なぞなぞって、問いかけと言葉のリズムが組み合わさってできてますよね。この言葉の流れや音の響きが、より一段となぞなぞを楽しくしてくれます。繰り返しながら、その謎を解き明かそうとする。呪文とかお経とかと似てますね。心地よい言葉とたくさん触れ合うと、人の話を聞くことが好きになります。

シリーズ:こどものとも
書  名:なぞなぞあそび これなーんだ?
作  者:えのもとえつこ さく / さとうあや え
刊  行:2021年9月

えのもとえつこさん
1970年より公共図書館に勤務。『こなやのこねこ』、『ふみきりくん』(福音館書店)など、印象にのこる絵本をつくられる方です。言葉の感覚があるなぁと。

さとうあやさん
千葉県生まれ。イラストレーター、絵本作家。作品に『こぶたのプーちゃん』シリーズがあります。インスタグラムで三毛猫ブンとの日記が見れます(aya._.bun)。絵を描く人の感覚って気になりますよね。

『なぞなぞえほんセット』福音館書店
・『なぞなぞあそびうた』のら書店

なぞなぞノートをつくって部屋に置いておくと、思いついたときにメモできますね。

言葉遊びは好きです。音がつながっていると、考えなくても、音楽みたいに言葉が口から出てくる感じ。そういう言葉の感覚って、自然と身につくというよりも、そういう言葉に出会っているかどうかってことだと思うんです。乳幼児にこそ、心に流れるように入ってくる言葉にたくさん触れられるといいなぁ。


たくさんのふしぎ 2021年9月号

かんころもちと教会の島

かんころもちって、ぼく知らなかったんです。食い入るように読んでしまいました。まずは五島列島に行ってみたい。息子と二人旅がいいなぁ。

シリーズ:たくさんのふしぎ
書  名:かんころもちと教会の島
作  者:にしむらかえ 文・絵
刊  行:2021年9月

母の友 2021年9月号

子どもと音楽

音楽ってなんか、気になりますよね。子どもと音楽。程よく楽しめるといいんですけど、ついつい親の願望が出てきてしまったりします。母の友は、毎月このボリュームをどうやってつくっているんだろうなぁ。今度見学に行ってみたいなぁ。

2021年8月号

こどものとも 0.1.2. 2021年8月号

あっちから こっちから

車がやってきているのが少し見えます。どんな車か気になります。ページをめくると、どんな車かがわかる。2場面展開の「いない いない ばあ」のような遊びと、「なんだろう?」という問いかけがぐっとこどもたちを引きつけます。次のページをチラッと見せて、なんだろうねぇ、なんていうめくり方もいいと思います。

シリーズ:こどものとも 0.1.2.
書  名:あっちから こっちから
作  者:山崎杉夫 さく
刊  行:2021年8月

山崎杉夫さん
イラストレーター。1968年東京生まれ。立教大学経済学部卒業後、会社員生活を経てセツ・モードセミナー卒。安西水丸氏に師事。

・『ぶーぶーぶー』福音館書店

道路をつくりましょう。車はミニカーでも積み木でもいいでしょう。

道があると、そこには何かしら通る人や車があるものです。人が歩いて道になるのか、道があるから人が歩くのか。ともかく、この絵本は道がいい。いい道があると、その道を通りたくなるものです。かっこいい車が登場する「こどものとも0.1.2.」もなかなかいいですね。


こどものとも年少版 2021年8月号

もりで とびっこ

動物たちが、飛び跳ねて遊びます。飛べることが嬉しくて、自慢したくなっちゃう動物のこどもたち。飛ぶ時の音を楽しげに読むと、雰囲気が出ると思います。繊細で美しい自然が事細かに描かれています。

シリーズ:こどものとも年少版
書  名:もりで とびっこ
作  者:八百坂洋子 文 / ナターリヤ・チャルーシナ 絵
刊  行:2021年8月

八百板洋子さん 文
ぼくの中では、ブルガリアの昔話を再話した絵本が印象に残ってますが、ご自身での創作もされています。ブルガリアへ留学されていたんですね。この絵本も、その時の経験が元になっているそうです。

ナターリヤ・チャルーシナさん 絵
ロシアの画家で、植物や小動物が自然とそのままの密度で描かれているように見えるほど、微細な表現をされます。「ちいさなかがくのとも」の『もりのてぶくろ』も八百板さんとコンビでの作品です。

『りすと もりのあしおと(こどものとも年少版2015年12月号)』福音館書店
・『ちいさなはりねずみ(こどものとも年少版2018年3月号)』福音館書店

特になし。

「あ、これはなんかロシアの絵っぽい」って思ったら、ナターリヤさんでした。「ロシアっぽい」というのは、ものすごく乱暴な括りだとは思うのですが、異国、異文化を絵から感じるということはよくあると思います。絵や昔話で異文化と出会う経験って、固定概念を生み出してしまうこともあるとは思いますが、さりげなく日常の中にあるといいなぁと思います。そして、そのロシアの絵っぽいという感覚を探っていくと、その独自の表現方法は描いた人の国の歴史や文化と密接に結びついていたりするので面白い。


ちいさなかがくのとも 2021年8月号

おおきな おおきな とんぼ

大きくて虎みたいな、かっこいいトンボ「オニヤンマ」が主人公です。シンプルで文字も少ない絵本ですが、オニヤンマの生態が詰まっている。大人のみなさんは、折込付録にある森上信夫さんの解説『おおきなひとのための「おおきなおおきなとんぼ」』を読むのをお勧めします。

シリーズ:ちいさなかがくのとも
書  名:おおきな おおきな とんぼ
作  者:松岡達英 さく
刊  行:2021年8月

松岡達英さん
1944年新潟県長岡市生まれ。日本の自然絵本作家。たくさんの絵本を手掛けておられます。『あまがえるりょこうしゃ』や『ぴょーん』を始め、昆虫や植物、自然にまつわるテーマで毎回楽しませていただいています。

今は手に入らないのですが、『空とぶ宝石 トンボ(たくさんのふしぎ1993年7月号)』(福音館書店)はお勧めします。

絵本を読んでから、実際にオニヤンマに遭遇できるといいんですけどねぇ。近くでいる場所の見当をつけて、水辺を散歩してみるといいのかも。

捕まえたい!捕まえられると最高なんですけどねー。チョウでいえば、カラスアゲハのようなレア感でしょうか。発見から採取まで、粘り強く研究を重ねると捕まえられるようになりそうです。絵本という入り口から、採集や自然への視線や経験が生み出されることもあると思います。噛まれたら指が欠けちゃうんじゃないかっていう口をしていますよね。


かがくのとも 2021年8月号

キジのかぞく

日本の国鳥であるキジ。そのキジの家族をテーマにした科学絵本です。車を走らせていると、たまに思いがけないところから派手な姿をしたキジを番(つがい)で見かけることがありますが、その生態まで観察することはなかなかできません。さて、キジはどんな風に子育てをしているのでしょうね。

シリーズ:かがくのとも
書  名:キジのかぞく
作  者:平野伸明 ぶん / ユカワアツコ え
刊  行:2021年8月

平野伸明さん 文
1959年生まれ。映像制作プロダクション主宰。著書に『野鳥記』『スズメのくらし』(福音館書店)がある。

ユカワアツコさん 絵
主に鳥を描くイラストレーター。そして、鳥の小物等を製作販売する「トリル」を運営されています。バンド活動もされているようで、ウェブサイトを覗くと面白いものが満載で興味がつきません。

・『さっぽろ野鳥観察手帖』亜璃西社
これを機会に、こどもたちとバードウォッチングを始めてはいかがでしょうか?

双眼鏡!

桃太郎には出てくるので有名だが、間近で見ることはなかなかできない。それにしても派手ですね。見つけると遠くからでも「キジだ!」って思うし、なぜか捕まえたくなってしまいます(笑)。


こどものとも年中向き 2021年8月号

バッ バッ バス バス

旭山動物園での体験をもとに、つくられた絵本です。夜空に上がる花火。それに対する動物たちの反応が描かれています。読んでいると、花火の音を上手に読みたいなと思いますが、ほぼページごとに違う花火の音があるので、なかなか。夜空に上がる花火は音と色彩が幻想的。それを動物たちは、どう見ているんでしょうね。そんなことを思いつく岸田衿子さんはさすがだなぁ。

シリーズ:こどものとも年中向き
書  名:バッ バッ バス バス
作  者:きむらよしお さく
刊  行:2021年8月

きむらよしおさん
1947年滋賀県生まれ。絵を見ると「あ、きむらさんだ」とわかる。それに物語も奇想天外で次の展開がいつも読めない。そういう何が出てくるか想像ができない、予測を越える作品を世に送り出してくれる絵本作家さんです。

・『ねこガム』福音館書店
・『ながーくなった(こどものとも年少版2021年1月号)』福音館書店

これは、同じクラスの仲間たちと「バッ バッ バスバス」といいながら、青いバスごっこが楽しいのではないでしょうか。まずは座席。運転手の帽子もほしいなあ。

長新太さんのナンセンス絵本は、本当にナンセンスというにふさわしいほど、飛び抜けているが、きむらよしおさんの作品は、その物語に「意図」というか「願い」を感じるものが多いです。奇想天外にずば抜けて面白いんですけど、ナンセンスではない。ユーモアの下に、太い芯が潜んでいるのではないかと思わせてくれます。もともとは、きむらさんのひとつの詩から生まれたこの絵本も、そういう感じがしました。


こどものとも 2021年8月号

おやつどろぼう

ある夜、主人公のアカーキーがトイレに起きると、リビングでお母さんが、ショートケーキにダイエットコーク、膝の上にはポテトチップスの袋。そう、ひとりでおやつパーティをしていたのだった。それを見てから、どうしてもいちごのケーキが気になって眠れない。そこから物語が始まります。阿部さんの絵から、なんだか少しワルイ感じ(読むとわかるはず!)が滲みでてて、怖いものみたさに読み進めてしまいます。

シリーズ:こどものとも
書  名:おやつどろぼう
作  者:阿部結 作
刊  行:2021年8月

阿部結さん
1986年宮城県気仙沼市生まれ。東京在住。イラストレーター。ぼくはこの作品で初めて阿部結さんに出会いましたが、物語といい絵といい「ニヤッ」としてしまう感じ。アカーキーの髪型もぼくと同じ激しめの天パで妙な親近感もありますが、面白い! 

・『おしいれのぼうけん』童心社
押し入れのない家が増えてきたかもしれませんね。この絵本、冷蔵庫の冒険なのかもしれないなと、読んでいて思いました。冷蔵庫はどこの家庭にもありますし、扉を開けると別世界が広がっているなんてこともあるやもしれません。

こども諸君、おかあさんに読んでもらってほしい。そのときに、「お菓子の隠し場所ってあそこだよね」と探りを入れてみよう。

ページの中で、さらにコマ割りされていて、「おお!そうきたか!」って。たしかに、ページをさらにコマ割りすると、展開の可能性が増える。4コマ漫画的なコミカルな要素もあるし、このスタイルはなかなか可能性が大きい。


たくさんのふしぎ 2021年8月号

ギアナ高地 謎の山 テプイ

南アメリカにある、切り立った高地。そこにそびえ立つ謎の山テプイ。その存在すら知らなかったのですが、「たくさんのふしぎ」は、いつも新しい出会いをくれます。誰も踏み入れないようなところへ足を踏み入れる体験には憧れますね。

シリーズ:たくさんのふしぎ
書  名:ギアナ高地 謎の山 テプイ
作  者:寺沢考毅 文・写真
刊  行:2021年8月

母の友 2021年8月号

図鑑LOVE

色々な種類の図鑑を揃える、というのはわかりますが、図鑑そのものを集める、そういう図鑑マニアもいるんですね。オシロイバナの記事が面白かった!

2021年7月号

こどものとも 0.1.2. 2021年7月号

こんにちは こんにちは

身の回りにあるものたちが、笑顔で「こんにちは!」と挨拶をしてくれます。「いない いない ばあ」のように、2枚目をめくると笑顔が現れるので、あそびの要素が大きくて、たっぷり楽しめる一冊です。コミュニケーションをとりながら、お楽しみくださいませ。

シリーズ:こどものとも 0.1.2.
書  名:こんにちは こんにちは
作  者:スギヤマカナヨ さく
刊  行:2021年7月

スギヤマカナヨさん
静岡県生まれ。東京学芸大学初等科美術卒業。『ペンギンの本』(講談社)で講談社出版文化賞受賞。主な作品に『K・スギャーマ博士の動物図鑑』『K・スギャーマ博士の植物図鑑』(共に絵本館)。

『こんにちは どうぶつたち』福音館書店
・『こんにちは』福音館書店 
・『いない いない ばあ』童心社 

 

特になし。

大人にとっては、ページをめくると、前ページのバナナが変化して、挨拶をしてくる、というものすごく古典的な変化のように感じるかもしれませんが、あかちゃんにとっては「え?!どうやって変わったの?」というくらい衝撃なのです。知ってる知ってる、っていう大人の感じと、乳児の新鮮な無垢さ。乳児との絵本体験はそれが魅力の一つでもあります。「こどものとも0.1.2.」シリーズは、「読み聞かせる」というより、お互いに絵を見て「読み合う」「語り合う」という感じです。一冊の絵本を最後まで読むことが目的ではなくて、一緒に一場面一場面を楽しむ。ぼくは、いつも絵本じゃなくてあかちゃんに視線が釘付けになってます(笑)。


こどものとも年少版 2021年7月号

とうちゃんのちゃんぽんめん

お父さんが得意料理のちゃんぽんめんを作ります。どうやら料理が好きなお父さんのようで、冷蔵庫にある食材を上手に使って、乾物からもしっかり出汁をとって、大きな中華鍋でちゃんぽんめんを作ります。たくさん食材も出てくるので、こどものためのレシピ本のような一冊です。おいしそー。ぼくは、札幌にある「一鶴」というちゃんぽん屋さんに、たまに行きます。家で作ったことはないので、挑戦してみるか……。

シリーズ:こどものとも年少版
書  名:とうちゃんのちゃんぽんめん
作  者:伊藤秀男 さく
刊  行:2021年7月

伊藤秀男さん
ちゃんぽんだから長崎出身なのかと思ったら、愛知県出身!『けんかのきもち』『ぜっこう』など、こどもの気持ちがそのまんま隠さずに描かれている絵本が印象的。

・『おりょうりとうさん』フレーベル館
ちゃんぽんの絵本は思いつきませんが、お父さんがお料理を作ってる絵本でまず思いついたのはこの一冊。

『具材ーごっこ遊びを支える道具』庭プレス
この具材たちがあれば、ちゃんぽんも作れるはず!

折込付録を見ると、長崎ちゃんぽんとは違い、麺は細麺で、出汁も乾物を加えるのは伊藤さんのオリジナルなのだそうです。最後のどんぶりがとっても大きい!何気ない毎日の一コマなのかもしれませんが、お父さんの料理の手順や手際を見ながら、それが美味しい一皿に変わっていくのは、お腹が空いた人にとっては、待ち遠しい、たまらない時間のように思います。ぼくにとっては、お好み焼きだったなぁ。


ちいさなかがくのとも 2021年7月号

だんだん ぐんぐん ずんずん どんどん

表紙だけで何の絵本かわかった人は、とっても勘がいい人です。表紙のつぶつぶは、一粒一粒描かれた種なんです。こんなにたくさんの種が入っているものといえば?真夏の暑い日に食べたくなるあれです。そう、スイカ!この絵本はスイカが大きくなっていく様子が、テーマになっている絵本です。みるみるうちに、どんどん大きくなっていくスイカは、読んでいると早く「食べたいなぁ」と思わせてくれる魅力があります。

シリーズ:ちいさなかがくのとも
書  名:だんだん ぐんぐん ずんずん どんどん
作  者:荒井真紀 さく
刊  行:2021年7月

荒井真紀さん
『あずき』『じゃがいも』など、本当に優れたかがくの絵本だなぁ、といつも気になる注目の作家さんです。プロフィールを見ると、昆虫などの細密画で有名な熊田千佳慕氏に師事されていて、「なるほどー」と思ったり。『たんぽぽ』(金の星社)もそうですが、種を描くとか、花弁を描くとか、そういう徹底的に分解して、細やかな部分まで描き出そうとするのが、意外とユニークなのかもしれないですね。

・『すいかのたね』福音館書店
・『ありとすいか』ポプラ社
・『万次郎さんとすいか(こどものとも年中向き2015年8月号)』福音館書店
このスイカも美味しそうなんです。

スイカの苗を植えたくなりますよね。読むと。まだ間に合います。

こんなに野菜そのものを描けるってすごいなと尊敬してしまいます。そして、どういう風に描くのかとか、どの場面を描くのかとか、そういうことも含めて、いいところを描き出しているなぁと。描くっていうことは、知るっていうことなのかも。ぼくも絵を描けるようになりたいといつも思いますが、苦手なままです。


かがくのとも 2021年7月号

はっぱのかくれが

葉っぱを使って、巣をつくる幼虫たちが登場します。チョウになる幼虫たちです。木や植物の葉を使って上手に隠れています。お散歩などで何気なく見かけるようなことはあるかもしれませんが、種類によっていろんな方法で隠れ家をつくる様を見られて感心。今のうちに、散歩コースにある木の名前や植物をチェックしておくと、絵本と全く同じ出会いがあるかもしれませんよ。

シリーズ:かがくのとも
書  名:はっぱのかくれが
作  者:井上大成 ぶん / 松山円香 え
刊  行:2021年7月

井上大成さん 文
千葉大学大学院自然科学研究科博士課程修了。森林総合研究所多摩森林科学園研究員。漢字がすごく並びますね(笑)。虫のことを大好きな人がいて、しかも、本にまとめてくれるって本当にありがたいです。とても助かる。

松山円香さん 絵
武蔵野美術大学油絵学科卒業。絵本作家。主なモチーフは生き物で、画風も幅広く、生き生きとした愛嬌を感じます。

『チョウのふゆごし(かがくのとも2018年2月号)』福音館書店
お二人の作品で、とても印象深かったです。チョウたちが冬の間どうやって過ごしているのかを教えてもらいました。

・『木の本』福音館書店
木の種類って難しいですけど、少しずつ覚えていくしかなさそうです。身近に生えている木を、こどもたちとよく観察することからですかね。

オリジナルの地図
家やこども園のまわりの植物や虫たちのことを書き込む地図。

見つけたものをじっくり観察してみると、知らないことがたくさん出てきます。何気なく眺めているだけだと気がつかないことも、観察することでより深く、そしてはっきりと知ることに繋がります。こどもの好奇心をかき消すことなく寄り添えるといいんですけど、なかなか難しいですよね。こどもとの時間を、こどもを優先して過ごすこと。まあ、それが子育てってことなのですが、ついつい大人の都合を優先してしまう自分に反省中。


こどものとも年中向き 2021年7月号

こんやは はなびたいかい

旭山動物園での体験をもとに、つくられた絵本です。夜空に上がる花火。それに対する動物たちの反応が描かれています。読んでいると、花火の音を上手に読みたいなと思いますが、ほぼページごとに違う花火の音があるので、なかなか。夜空に上がる花火は音と色彩が幻想的。それを動物たちは、どう見ているんでしょうね。そんなことを思いつく岸田衿子さんはさすがだなぁ。

シリーズ:こどものとも年中向き
書  名:こんやは はなびたいかい
作  者:きしだえりこ さく / あべはるえ え
刊  行:2021年7月

岸田衿子さん 作
京都生まれ。現在は大阪でライターとして活動されており、「母の友」で童話を多数発表されている方です。絵本として出版されたのは初めてのようです。どいかやさんとの組み合わせがとてもいいですね。

あべはるえさん 絵
東京都生まれ。現在、佐渡島在住の研究者。知りたいなと思ってもあまり情報がないのですが、千葉県立中央博物館の野外博物館「生態園」の『生態園はウンコだらけ』の絵の仕事をしておられます。小冊子の様なのですが、気になる……。

・『どうぶつえんガイド』福音館書店
モデルは旭山動物園の動物たちですので、やっぱりこの絵本を紹介したいですね。どことなくあべはるえさんとあべひろしさんの絵は似てる気もします。

さて、今年の夏は花火大会はあるのでしょうか。花火が上がったときに、動物たちのことも思い出したりするとうれしいですね。

「こどものとも年中向き」では、たまに新刊ではなく過去の作品を再販します。こどものともシリーズは、毎号新刊がこどもたちの手元に届くのがいいところですが、今回のように2005年に出版されたものが、再び出版されることがあります。岸田衿子さんはもう10年前に亡くなっておられますが、こどもたちが岸田さんの言葉に出会うきっかけになってとてもうれしいです。


こどものとも 2021年7月号

うごきえほん

読むというか、動きの図鑑というか。この絵本は身体を動かしながら楽しみましょう。やってみたいなぁと思ったことを、ともかく下手でも苦手でもやってみるって、大事。恥ずかしがり屋さんの場合は、ひとりでこっそりっていうのもいいかもしれませんが、せっかくですので、みんなの前でもひとりの場合でも、絵本と同じ動きをビシッと決めてみてください。

シリーズ:こどものとも
書  名:うごきえほん
作  者:こんどうりょうへい さく / かきのきはらまさひろ こうせい / やまもとなおあき しゃしん
刊  行:2021年7月

近藤良平さん
表紙と裏表紙に出ているのが近藤良平さんです。ダンス・カンパニー・コンドルズを主宰しており、テレビで見たことがある人も多いことでしょう。ダンサーであり、振付師なのですが、こういう体の動きのことを日夜考えている第一線の方が、動きの絵本をつくるって、最高だなと。

『ひともじえほん』福音館書店
『かげええほん(こどものとも2016年1月号)』福音館書店

やっぱり同じような格好をしたくなると思うんですよね。浴衣と帯とステテコですかね。

絵本が好きでずっとチェックしていると、「お、3作目!」って思うのですが、既に『ひともじえほん』(2011年)が出てから、10年も経っているんですねー。保育園や幼稚園でこの絵本に出会うこどもたちにとっては、これが1冊目。だから、いつも初めて手に取るような気持ちでページを開きます。とはいえ、なんとなく予想しちゃうのですが、いつもそれを上回ってくるので、近藤さんはそうとう面白い人のようです。



2021年6月号

こどものとも 0.1.2. 2021年6月号

くだもの みいつけた

葉と枝の隙間からくだものがちらりと見えています。この絵本が問いかけてくる言葉は「はっぱのなかでみいつけた なにかな なにかな」です。これだけ。聞かれるとどうしたって答えたくなります。読み終わる前にわかって、答えてしまうことがあるかもしれませんが、対話を楽しみましょう。正解を答えられることが目的ではなく、間違っていたっていいのです。3歳の娘も楽しんでいました。ひとつ間違っていましたが、それがまた楽しい。見つけたものを問いかけるというやりとりは、日常の対話でもよさそうです。

シリーズ:こどものとも 0.1.2.
書  名:くだもの みいつけた
作  者:ひろのたかこ
刊  行:2021年6月

ひろのたかこさん
ぼくが真っ先に思い出すのは、『ねぼすけスーザ』シリーズ。そのほかにも『魔女の宅急便その2』の挿絵など含め、多くの作品を手掛けておられます。スーザはとっても魅力的な物語です。

『くだもの』福音館書店
・『いちご』福音館書店
・『やさい』福音館書店
・『きんぎょがにげた』福音館書店

 

出てくる果物を食べられるといいですね。

表紙のみかん。柑橘のさわやかな香りがしてきそう。枝についたままの果物が、みずみずしく描かれているのがいい!普段、こどもたちが見る果物は、収穫された後ですから、そこのひと工夫が秀逸。すべて、ひろのさんの庭にある果樹を観察して描いたそうです。いい絵です。


こどものとも年少版 2021年6月号

おらんちゃん

マヤさんの絵本は、もうそのまま好きに読んでくださいませ。ことばも絵もそのままお好きにどうぞ!

シリーズ:こどものとも年少版
書  名:おらんちゃん
作  者:MAYAMAXX えとぶん
刊  行:2021年6月

MAYAMAXXさん
2020年から、岩見沢美流渡にあるアトリエを拠点に活動をしています。庭ビルでも原画展やワークショップを開催させていただいたことがあります。これからマヤさんはどんな活動をしていくのか、たのしみ!

・『ぱんだちゃん(こどものとも0.1.2. 2018年4月号)』福音館書店
・『らっこちゃん』福音館書店
・『ばあちゃんがいる(こどものとも2019年9月号)』福音館書店
・『さるがいっぴき(こどものとも2018年8月号)』福音館書店

特に思いつかない。

『さるがいっぴき』を出版してからのマヤさんの作品は、何かこれまでと違う、というか、さらに奥へ踏み込んで表現をしている気がします。『おらんちゃん』も年少版なんですが、すっと深い部分に触れてくるような親密さと「ほんとうのこと」が共存している感じ。とても大切な一冊です。


ちいさなかがくのとも 2021年6月号

すなやまトンネルできるかな?

大きな、大きな砂場ってどこでしょう?そう、砂浜です。砂で遊んだことはありますか?遊んでみるとわかることがあります。水で濡らしたり、固めたりね。さらさらの砂の方が楽しいときもあります。掘りやすい道具が何かとか、そういう経験は何気ないですが、大切なことです。砂場で熱中して遊んでいる息子の姿を思い出しました。絵本とまったく同じことをしていました。しかも時間を忘れるくらい熱中して。こどもってすごいなぁ。

シリーズ:ちいさなかがくのとも
書  名:すなやまトンネルできるかな?
作  者:こさかまさみ ぶん / 岡本よしろう え
刊  行:2021年6月

こさかまさみさん 文
兵庫県生まれ。デザイン事務所勤務を経て、子育てをしながら童話を書く。こさかさんの文では、『こいのぼりじま』(2013年5月こどものとも)、『ゆげゆげお』(2010年12月こどものとも年中向き)などを思い出します。

岡本よしろうさん 絵
山口県生まれ。絵本では「たくさんのふしぎ」で『生きる』と『まちぼうけの生態学』を書いています。どちらも面白かったなぁ。ホームページ「岡本よしろうの世界」が面白いのでブログを読んでみてくださいね。

『とんねるをぬけると』福音館書店
・『どろんこどろんこ』福音館書店
・『せっせせっせ』福音館書店

貝殻なんかがあると気分が盛り上がる。スコップもあると便利ですけどね。あとは、水を汲めるもの。張り切っていろいろ道具を持っていっても、使うものは決まっていたりしますよね。

砂浜でまったく遊んだことがない人もいるかもしれません。絵本が先か、絵本を読む前に砂浜にいくのが先か……。まあ、どちらが先でもいいのでしょう。絵本のいいところは、イメージを共有できるということです。あの絵本みたいにしてみたいねって。それだけで、2人の頭の中には、同じイメージができてますからね。この絵本を楽しんだ場合は、砂山を作ってトンネルを掘るってことになるでしょう。おそらく……。


かがくのとも 2021年6月号

つくってあそぼう!

かえるや

とことんカエルを作る絵本です。もしかしたら、牛乳をたらふく飲む羽目になるかもしれません。家中がカエルに溢れるかもしれません。まあ、そんな時があってもいいのです。やってみたいと思うことに、とことん付き合う。大人もハメを外して楽しんでみてください。どんな風に絵本がつくられているかがわかるビデオもありますよ。

シリーズ:かがくのとも
書  名:つくってあそぼう! かえるや
作  者:きうちかつ 作・絵 / ときわまさと 写真
刊  行:2021年6月

きうちかつさん 作・絵
工作絵本の第一人者で、『やさいのせなか』などのロングセラーから、2019年の『なにがみえるかな?』もとても面白かったなぁ。『工作図鑑』には大変お世話になりました。

ときわまさとさん 写真
1957年東京生まれの写真家。写真を楽しそうに見せるって、とても難しい気がする。この絵本にも努力と汗の結晶が滲み出ているのでは……。

 

『なにが みえるかな?(かがくのとも2019年5月号)』福音館書店
・『3じのおちゃにきてください』福音館書店

牛乳パック1000ml、セロハンテープ、はさみ、ストロー、レシート、かみぶくろ、フェルトペン

一緒に読んで、こどもが「やってみたいなぁ」と思ったときに、影から道具たちが出てくると盛り上がるでしょう。時には、そういう「わーー!」みたいなことが上手にできるといいのですが、僕は苦手です(苦笑)。


こどものとも年中向き 2021年6月号

てんとうむしと かたつむりくん

最近は、蝦夷梅雨なんていう言葉があるくらい、北海道でも湿度が高く感じる日が続くときがあります。この絵本に登場するかたつむりくん。彼(彼女?)にとっては、雨の日がいい天気。一方、晴れの日が好きなてんとうむしくん。さあ、ふたりで一緒に遊べるのでしょうか。テーマのはっきりした物語(他者理解や違いなど)ですが、この物語から感じることは人それぞれです。感じることを感じたままに共感して、共有できるのが、心地よい絵本体験。あ、絵本のテーマと同じ、相手を理解するってことですね(笑)。

シリーズ:こどものとも年中向き
書  名:てんとうむしくんと かたつむりくん
作  者:なみもとあや 文 / どいかや 絵
刊  行:2021年6月

なみもとあやさん 文
京都生まれ。現在は大阪でライターとして活動されており、「母の友」で童話を多数発表されている方です。絵本として出版されたのは初めてのようです。どいかやさんとの組み合わせがとてもいいですね。

どいかやさん 絵
『チリとチリリ』シリーズでご存知の方も多いと思いますが、どいさんといえば、猫のイメージがあります。千葉県の森の中に住んでいるそうですよ。こんな活動もされているんですね。

『がまくんとかえるくん』シリーズ(文化出版局)。ふたりで一緒に遊ぶのが楽しいっていうことがとてもよくわかる一冊。

特になし。

自分がいやだなって感じることでも、人によってはそう感じない場合があります。いろんな感覚があるってとても大切なこと。大人の方が許容範囲が狭い気がします。だんだん狭くなっていくのかな……。絵本を読みながら、読む自分の心を点検したりするのでした。


こどものとも 2021年6月号

あめのひの ぼうけん

絵は明るい印象ではないですし、家の中を小さくなって冒険しているようなファンタジーですから、大人は戸惑うかもしれませんね。こどもの空想の世界を覗く感じで。でも、そんな気持ちでそのまま、この物語と絵に身を委ねてみてください。一度だけじゃなくて、何回か読むと分かってくることもありますし、繰り返し読んでって言ってくるこどももいるでしょう。ぼくは、こういうときは自分の中のこどもの気持ちを思い出します。

シリーズ:こどものとも
書  名:あめのひの ぼうけん
作  者:森洋子 作
刊  行:2021年6月

森洋子さん
森さんの絵本は、見るとすぐにわかります。そのくらい独特なんですが、描かれている場面や物、風景には懐かしさを感じる不思議な印象です。昭和を経験した人たちにしかわからないのかもしれませんが……。1959年東京生まれ。東京藝術大学美術学部絵画科卒業。

『おるすばん(こどものとも2013年2月号)』福音館書店
『さがしもの(こどものとも2015年10月号)』福音館書店
・『おまつり(こどものとも2017年9月号)』福音館書店
・『まよなかの ゆきだるま』福音館書店

これを読んだ後に、家にあるもので何かを作り始めたら、「それは動かさないで!」とは言わずに、すこしだけそっとしておいてあげてください。

こどもの頃は、絵本を読まなくても、こういう想像の旅によく出ていました。不意に飲み込まれるというか、入り込んでくるというか、すぐそばに空想の世界がありました。こういう絵本って、こどもにとっては当たり前のことなのかもしれません。むしろ、大人が「ああ、そういうえば……」と、こどもの想像力の世界を思い出すためにある気がします。


たくさんのふしぎ 2021年6月号

ハチという虫

ハバチといって、日本にも800種以上いる植物の葉を食べるハチがいます。針で刺すことのないハチたち。原始的な種類のハチです。そこからハチは様々な進化を重ねてきたそうです。考えてみると不思議なことばかり。目の前にいる小さなハチが、何かをきっかけに植物食から肉食になったりすること、それに合わせて次第に腹部の形状が変化していくことなど、「ハチという虫」を知ろうとするだけで、地球の神秘にぶつかります。知らないことばかり!

シリーズ:たくさんのふしぎ
書  名:ハチという虫
作  者:藤丸篤夫 文・写真
刊  行:2021年6月

母の友 2021年6月号

ゆるくいきましょう

日々のごはん

「ゆるくいきましょう 日々のごはん」というのが全体のテーマです。毎日の食事についてもさることながら、いろいろなことにゆるくいきたいものです。どこか価値観を押しつけあったり、いらぬことに気を使って疲れてしまったり、こどもによけいにイライラしてしまったり……。6月号は、ぼくにとっていつも以上に読み応えたっぷり。いい号です。

2021年5月号

こどものとも 0.1.2. 2021年5月号

かめかめたいそう

2匹のかめ(たぶん親子)が体を動かします。さあさあ、かめかめたいそうのはじまりです。縮めたり伸ばしたり、吸ったり吐いたり。まずは、いっしょに絵本を楽しむといいでしょう。ゆっくり言葉を語りかけて、絵や音を味わいます。小さいかめさんの目線が、ふたりの関係を表しているようで、なんともいい感じです。読んでいるときに、体が動きだしてしまったら、そのまま思う通りに体を動かしてみましょう。絵本って、こどもとの喜びのためにあるものですから、「いいからじっと聞いてて!」なんて野暮なことは抜きにして、思いっきり楽しんでみてください。

シリーズ:こどものとも 0.1.2.
書  名:かめかめたいそう
作  者:齋藤槙 さく
刊  行:2021年5月

齋藤槙さん
美大生のときに作った絵本『ぺんぎんたいそう』でデビュー。月刊絵本で届いたときには、「おおー」と思い、こどもたちの反応を見て、さらにこの絵本の底力を感じたのでした。出ましたね……続編!

・『ぺんぎんたいそう』福音館書店

折込付録に楽譜や動画の紹介もされています。まあ、自分で好きに歌うのが一番だと思いますが、動画を活用するのも楽しいかもしれません。小さい頃は、綿のたっぷりつまった重たい座布団が家にはありました。よくそれを背中にのせて、かめになっていたものです。

あかちゃんにとって、「触れ合う」とか「見つめ合う」というのは、大人が考えるよりもずっとずっと大切なことなのだなと、『人類の育児スタイルは共同養育』という本を読んで知りました。心や身体をたくさん動かして育っていくんですよね。そりゃ、動かさないと凝り固まって、動かなくなっていってしまうわけで、心もたっぷり動かさないとなぁと。娘と一緒に絵本読もう!


こどものとも年少版 2021年5月号

いちわのからす

縄跳びをするときに歌う「いちわのからす」というわらべ唄(ご存知ですか?)を元にしている数え歌の絵本。数に合わせて動物たちが出てきたかと思うと、またいなくなってしまい、どうなるのかなぁとドキドキ。テンポがよく、そして緩急が心地よい物語です。長野ヒデ子さんらしいユーモアが活きています。わらべ唄ですから、自然に読んでいると節がついてくるので、言葉のリズムに身を委ねて愉快に読んでみてください。

シリーズ:こどものとも年少版
書  名:いちわのからす
作  者:長野ヒデ子 さく
刊  行:2021年5月

長野ヒデ子さん
1941年、愛媛県今治市生まれ。スズキコージさんと共同制作した作品で『やぎや』(スズキ出版)という絵本があります。以前、庭キッチンに入っていたやぎやの永田温子さんご一家がモデルなのです。彼らが絵本にするとこうなるのかぁ、知っている風景が絵本になって面白いなぁと思いました。

わらべ唄の絵本を紹介するのがいいのかもしれませんが、長野さんの絵本で、次の2冊は一度読んでみて欲しいなぁ。

・『おかあさんがおかあさんになった日』童心社
・『おとうさんがおとうさんになった日』童心社

特になにも。ことばあそびですね。

絵本を読んでいると、文字としては書いてないのに、聞こえてくる音や声に出会うことがあります。書いてある文字通りに読むのがセオリーではありますが、物語を読んでて、その物語の中から聞こえてきた音ならしょうがありません。それも声に出して楽しんでもいいでしょう。裏表紙のひよこさんは、お母さんになんて言っているんでしょうね。


ちいさなかがくのとも 2021年5月号

ふきの はの うえに

主人公は、一匹のアマガエルです。自然を眺めているときに、ふと小さな生き物に目を止めると、そこを中心に世界が見えてきてしまうことがあります。普通に生活しているなかで、アマガエルの目線になることなんてありませんし、なろうとすると地面にしゃがみ込まねばなりません(それはそれで一興かも)。絵本だとそれができるんですよねー。そして、澤口さんと磯部さんのコンビで、その世界を描きだしてくれるのはもう最高。

シリーズ:ちいさなかがくのとも
書  名:ふきの はの うえに
作  者:澤口たまみ ぶん / 磯部光太郎 え
刊  行:2021年5月

澤口たまみさん 文
数年前に函館でお会いしました。岩手県にお住まいでフェリーでいらっしゃってました。ちょうど『宮沢賢治の愛の歌』(夕書房)を出版されて間もない頃でした。「ちいさなかがくのとも」には欠かせない作者のひとりです。

磯部光太郎さん 絵
絵本は2作目で、一作目も澤口さんとのコンビで『あまがえる、のはらへ』でした。いやー、5年以上前の「ちいさなかがくのとも」ですが、各ページを思い出せちゃうんです。それくらい印象深い、強さのある絵本でした。日本画の古典的な技法の質感がたまりません。

もしどこかで見つけられるなら、是非この絵本を!

・『あまがえる、のはらへ(ちいさなかがくのとも2016年6月号)』福音館書店

やはりアマガエルを探してほしい。小道具というか、雨の日の散歩とか、アマガエルに出会えることを期待しつつ、過ごしてみましょう。

一冊の絵本が出来上がるまでの作家や絵描きの熱量って、絵本の細部に宿ると思います。熟考と推敲を重ねると、どんどん密度が上がっていく感じ。実際、どうやって完成したのかわりませんが、ふたりのコンビネーションからは、「あうん」を感じます。


かがくのとも 2021年5月号

さくらんぼ

世界には知らないことの方がたくさんあります。大人はついつい、自分の知っていることばかり見てしまいますけどね。「かがくのとも」は、物語を通して一つのテーマを知ることができる絵本。さて、さくらんぼとさくらの木の違いってわかります? 雨が降ったら実が割れる理由って知っていますか?知らないことがたっくさん。

シリーズ:かがくのとも
書  名:さくらんぼ
作  者:松岡真澄 さく
刊  行:2021年5月

松岡真澄さん
1956年東京生まれ。この絵本を作るために山梨市のさくらんぼ農家に1年間通ったそうです。植物画を描く作家さんです。かがくのともでは『れんこんのあな(2011年12月号)』という絵本があります。

・『さくら』福音館書店

絵本を読んだら、実物にも触れるといいです。知識を体験すると、それは知恵と経験になります。さくらの花びらやさくらんぼの木とかね。

知識で繋がるのではなく、心や想いで繋がるってことが大切なことのような気がしています。こどもと分かち合いたいのは、世界への好奇心と喜びですものね。

小さな頃は、さくらんぼ狩りに行って、たらふくさくらんぼを食べていたのですが、ここ最近は、ひと粒、ふた粒で満足してしまいます。それにのどが痒くなってしまうんです。甘さが強すぎない方がいい。身体の成長(老化?)に伴って味覚も変わるものなのですね。


こどものとも年中向き 2021年5月号

いちごになりました

ひと粒のいちごを地面に埋めました。庭にやってきた蝶々がその花の蜜を吸った途端、蝶々は「いちごちょうちょ」になってしまいます。どうやら、そのいちごは食べると体がいちごっぽく変わってしまうようです。タイトルにあるとおり、「いちごになりました」状態。「ええ!そんな!?」ということが次々に起こります。でも、なぜか「まあそうだよなぁ」なんて思っちゃうところもあるナンセンスな絵本です。

シリーズ:こどものとも年中向き
書  名:いちごになりました
作  者:鬼頭祈 さく
刊  行:2021年5月

鬼頭祈さん
1991年静岡生まれ。東京都在住。京都造形芸術大学 日本画コース卒業。日本画の技法を生かし、小人や苺をモチーフにした現代的な絵画を制作。日本画の技法のせいか、井上洋介さんの線を感じさせる。が、洋介さんのような一種の不気味さのようなものは少しも感じることはなく、とても可愛らしい。

『いちごばたけの ちいさなおばあさん』福音館書店
『スプーンのおうじさま(こどものとも年中向き2018年3月号)』福音館書店

いちごになっちゃえばいいんでしょうね。いちごになりきれるお面でしょうか。

いまは亡き井上洋介さんの絵を思い出しました。それに、長新太さんのような奔放なユーモアも。とっても不思議でおかしな物語なのですが、先人たちがナンセンスな絵本の世界をすでに耕してくれているんだなと感じつつ、こういう風に心に残る新しい絵本が出てくることが嬉しくなりました。おもしろい作家さんです。母の友のインタビューも必見!


こどものとも 2021年5月号

万次郎さんとたぬきのこ

万次郎さんのまわりで起こる物語が楽しめるシリーズ3作目。今回は、万次郎さんがたぬきのこに出会うところから始まります。こういう物語は繰り返し楽しむうちに、いろんなことが見えてくるものです。お腹を空かせたこだぬきたちは、どんどん万次郎さんの家にあるものを食べていきます。食べても食べても足りないみたい。こだぬきたちのお母さんはどこにいるんでしょうね。

シリーズ:こどものとも
書  名:万次郎さんとたぬきのこ
作  者:本田いづみ ぶん / 北村人 え
刊  行:2021年5月

本田いづみさん
徳島県出身。1972-2017。万次郎さんの生みの親です。万次郎さんは『母の友』への投稿童話から誕生しました。本田いづみさんは2017年にご逝去されましたが、ぼくは万次郎さんの3作目に出会えて本当に嬉しいです。

北村人さん
1981年東京生まれ。東海大学教養学部芸術学科卒業。気がつかないうちに北村人さんのイラストに出会っているかもしれませんよ。それくらい、いろんなところに彼のイラストはある気がします。

『万次郎さんとおにぎり』福音館書店
『万次郎さんとすいか』福音館書店

絵本に出てくるようなごはんを作ってみてくださいね。

なにか、本田さんのことを思いながら読むと、勝手にいろんなことをこの物語から読み取ってしまって……。こどもたちが万次郎さんと楽しく過ごしている間の、お母さんたぬきのことなんかを想像すると、どれだけ長い時間を過ごしたのかなぁとか、親としてこどもに関われる幸せみたいなものを噛み締めるのでした。


たくさんのふしぎ 2021年5月号

山里でくらす

中ノ俣の一年

新潟県上越市の山の中にある集落「中ノ俣」。冬は街場への道が雪で塞がれてしまうほど山奥にあるし、コンビニもないし、今となっては見つけることが難しいような暮らしが残っている場所。作者が「失われつつあるもの」というタイトルで、あとがきに書いた文章を読むと、一冊の本にまとめられるまでのドラマが垣間見える。そこにある暮らしがいったん途絶えると、それはもう取り戻すことはできない。今の自分の暮らしをみると、失われてきたものの大きさを感じてしまいました。

シリーズ:たくさんのふしぎ
書  名:山里でくらす 中ノ俣の一年
作  者:佐藤秀明 文・写真
刊  行:2021年5月

母の友 2021年5月号

家族のかたち

どことなく鋭さのあるテーマですよね。母の友は、いろんな入り口が用意されている生活文化誌。「家族のかたち」って、自分が勝手に自分の家族を中心に考えるだけで、ご近所や友人家族などを覗くと、自分の家族と同じだけのことがあったりするものです。

先月も書きましたが、キャッチコピーが新しくなって「子どもは大事、わたしも大事、幼い子と共に生きる人への生活文化誌」となっているせいか、全体に地殻変動的な変化と意気込みを感じてしまいます。鬼頭祈さんのインタビュー記事で、スズキコージ愛が熱々で面白かった。ぼくも彼女が紹介した本を持っていますし、読んでいましたね。

2021年4月号

こどものとも 0.1.2. 2021年4月号

たいこ どん

こどもが一人で太鼓を叩いていると、楽しそうな音につられて、動物たちが増えていきます。もちろん、みんなで叩くともっと楽しい。太鼓のリズムも盛り上がっていきます。一定の繰り返しがあり、少しずつ盛り上がっていく感じ。

あかちゃん絵本は、コミュニケーションを楽しむための道具です。何かを覚えさせたり、教え込ませようとするよりも、ともかく描かれていることをたっぷり楽しむこと。気持ちを大きく動かして、心を通わせること。こどもにとっても、親にとっても、それが1番嬉しいことですもの。

シリーズ:こどものとも 0.1.2.
書  名:たいこ どん
作  者:きくちちき
刊  行:2021年4月

きくちちきさん

1975年北海道生まれの絵本作家。2013年には絵本原画の世界的なコンクール「ブラティスラヴァ世界絵本原画展」で『しろねこくろねこ』が “金のりんご賞” を受賞。ぼくが出会ったときは、静かにゆっくり話す大きくて優しいクマみたいな印象した。とても、のびやかな絵を描きます。彦坂木版工房のwebサイトのインタビュー「絵本に出会うまで」が猛烈に面白いです。

この機会にきくちちきさんの作品を是非!

・『でんしゃ くるかな?』福音館書店
・『もみじのてがみ』小峰書店
・『しろねこ くろねこ』学研
・『みんな』(WAVE出版)、他多数

和太鼓があると、迫力満点になるでしょう。しかし大変なことになりそうなので、叩く気分が味わえれば十分。何かしら叩けるものを用意するのも手ですが、大人が良かれと思って用意しても、何も起こらない、もしくは、こどもが「叩いてほしいの?しょうがないなぁ」的なこともあるかもしれません。そんな時は、こどもに聞いてみるといいでしょう。

きくちちきさんは、北海道出身。一度、お会いしてお話を伺ったことがあります。絵に勢いと躍動感があるので、大胆に迷いなく線を描いていらっしゃるのかなぁと想像していたのですが、何度でも自分が納得いくまで繰り返し描き続けるそうです。自分がしっくりくる絵が描けるまで、結局いつも何百回も描くことになるのだそうな。

あかちゃんと通じ合うって、なかなか難しいこと。絵本がその助けをしてくれます。実際に太鼓を叩かなくたって、音とリズム、表情、ページをめくった時の変化など、これ一冊でたくさんのコミュニケーションが起こります。ページを行ったり来たりしてもいいですし、節をつけても構いません。絵本を通して心を通わせる。それがあかちゃんとの絵本を楽しむコツですよ。


こどものとも年少版 2021年4月号

へっちゃら プーちゃん

プーちゃんは、やってみたいことはなんでもやります。どろどろになるし、びしゃびしゃになるし、畑の真ん中で寝転がったりもします。プーちゃんと一緒にやってみたいことをたっぷり楽しみましょう。絵本ですから、心置きなくどうぞ!本当にやりたくなったら、工夫して実現させましょう。

シリーズ:こどものとも年少版
書  名:へっちゃら プーちゃん
作  者:本田いづみ 文 / さとうあや 絵
刊  行:2021年4月

本田いづみさん 文
『万次郎さんとおにぎり』など、いつも「いい物語をかくなぁ」と、本が出ると必ずチェックしていたのですが、2017年にお亡くなりになりました。今回の作品が、ようやく日の目をみるようになったのは嬉しく思います。徳島出身で、保育士としてお勤めのあと、こどものための物語を書きはじめたそうです。お会いしたことはないですが、彼女の文章にもう出会えなくなると思うと、寂しい気持ちになります。

さとうあやさん 絵
千葉県生まれ。桑沢デザイン研究所卒業。『ぴりかちゃんのブーツ』(福音館書店)が印象に残ってます。なぜなら友達の家の猫と名前が同じだったから。絵本や挿絵の仕事をたくさんしていらっしゃいます。

・『こぶたのプーちゃん』福音館書店
・『万次郎さんとおにぎり』福音館書店
・『万次郎さんとすいか』福音館書店
・『どろんここぶた』文化出版局

同じようなことが少しでもできそうな散歩道。

息子を見てても思いますが、親が「あーやってほしくないなぁ」なんて思うことを、彼らはやりたがるものです。親からすると、その後に起こるであろう、洗濯や片付け、掃除といった後始末のことをついつい考えちゃうので、こどもにとって、いま目の前にある魅力的なものを見ないようにしているわけです。

実は日々の暮らしの中で、大人は「こどもの小さな喜び」を摘んでしまっているのかもしれないなぁと、絵本を読みながら気がつくことがあります。こどもにしてみると、プーちゃんは自由で、小言をいうお父さんもいないし、楽しそうに見えるはず。だって、絵本ですもの、こどもがやりたいなって思うことが描かれている方が楽しいに決まっています。

絵本は、こどものためだけじゃなくて、大人がこどもの気持ちに気がつく、もしくは、自分のこどもの頃に感じた気持ちを思い出すことにつながったりもします。実際にはなかなかできないことでも、物語のなかでは思いのままに体験できたり、笑いあったりできる。読むというよりも、遊ぶ感じに近いのかもしれませんね。プーちゃんには、『こぶたのプーちゃん』という1作目もあります。そちらも自由奔放なプーちゃんが描かれていますよ。

ふくふく本棚※1のエッセイより、『こぶたのプーちゃん』についてのエッセイをさとうあやさんが書いてくださっています。本田さんのエピソードにいろいろ思いを馳せてしまいます。

※1福音館書店の公式Webマガジン。


ちいさなかがくのとも 2021年4月号

さあ おいで こどもたち

主人公はかるがも。こどもたちは大人が想像する以上に、日々、人生で初めてのことに出会っています。かるがもたちも、初めて池に飛び込む時には「ぼく おぼれちゃう」と思うもの。かるがものお母さんは「だいじょうぶ。かるがものこは おぼれません」とキッパリ。飛び込んでみると、お母さんの言う通りにぷかぷか浮かびます。身近な大人を信頼して、毎日初めてのことに挑戦しているこどもの姿と重なります。

シリーズ:ちいさなかがくのとも
書  名:さあ おいで こどもたち
作  者:小風さち ぶん / しもかわらゆみ え
刊  行:2021年4月

小風さちさん 文
1955年東京生まれ。何度かお会いして、お話をさせていただいたことがあります。ぼくは小風さんの言葉の感覚が大好きです。どんな作品も逃さずに目を通している気がします。絵本だけじゃなく、『ゆびぬき小路の秘密』も面白いですよ。

しもかわらゆみさん 絵
絵がとっても繊細。というか自然って本当に繊細にできてるなぁと、絵を眺めてて思うほど。動物たちのイラストがいいなぁ。なんとなく、ピーターラビットの世界を思い出してしまいました。

・『かもさんおとおり』福音館書店

何気なく、池のある公園に遊びに行ってみましょう。他の野鳥にも関心がありそうなら双眼鏡や野鳥図鑑を持って是非。

身の回りの世界には、ぼくたちが見ていないだけで、いろんな生き物たちが子育てをしています。「ちいさなかがくのとも」は、身近な不思議に出会えるシリーズで、動植物や人の気持ちなど幅広いテーマがあり、ぼくは大好きです。

小風さちさんの一流の言葉と物語、それに繊細で表情のある、しもかわらさんの絵。写真ではなくて、絵だからこそ表現できる場面や景色があります。とてもいい絵本です。


かがくのとも 2021年4月号

わたしの ちいさな いきものえん

外で観察するところから一歩踏み込んで、家の中でも彼らが快適に過ごせる場所をつくって、観察する、お世話をする。この絵本は、そのためのガイドブックになっています。苦手な大人もいるかもしれません。飼うって大変ですもんね。こどもたちには、まずは絵本でだけでも体験してほしいなぁと思います。もちろん本当にやってみたくなったときには、できる限り応えてあげられるといいのですけれどね。

シリーズ:かがくのとも
書  名:わたしの ちいさな いきものえん
作  者:大島加奈子 さく
刊  行:2021年4月

大島加奈子さん

かがくのともシリーズで、アリのことや、まつぼっくりなどをテーマに絵を担当していらっしゃいます。『まつぼっくり』の絵本はおもしろかったなぁ。この絵本作るには、たくさんの生き物たちを飼育しながら、じっくり観察しなくてはならなかったことでしょう。いつか、そんな話を伺ってみたいものです。
兵庫県神戸市生まれ。お父さまのご都合で、国内外を転々としたそうです。高校二年生の時に画家になることを志し、多摩美術大学油画科へ。絵画教室されているようですよ。

・『うちの近所のいきものたち』ハッピーオウル社
・『飼育図鑑』福音館書店

必要な道具は、すべてこの絵本の中に!

春になると、いっせいに生き物たちが息を吹き返します。北海道の4月は、まだ雪が残っていたり、肌寒さが強いですが、地面の近くでは春の準備が盛んです。こどもたちは大人よりもずっと地面に近いところで生活しているので、小さな虫たちや生き物たちをよく見つけることができます。まだ見たことのない虫だったりすると、さらに印象強く残ります。

わが家では、あまり上手に飼えたことはないのですが、この絵本を読んだらできるかも。身近にいる生き物が、どういう風に生きているのか、生活しているのかを知ることには、たくさんの学びがあります。


こどものとも年中向き 2021年4月号

ケロケロきょうだい

かえるは7人兄弟。春になったので、冬眠から目覚めていつもの池に向かいます。ですが、そこには池がありませんでした。工事で埋め立てられていたのです。そこで、彼らは水を求めて冒険に出ます。仲間たちと力を合わせて、楽しみながらも困難に立ち向かっていくお話です。さて今年は、北海道のかえるたちはいつ頃目覚めるのでしょうね。

7匹のかえるたちの声色を変えたくなりますが、そこまで明確に区別もされていないので、言葉に気持ちをのせるだけで大丈夫。何回も読んでいるうちに、読み手も、言葉と絵と物語が結びついてきて、いろんなことがわかってきますよ。

シリーズ:こどものとも年中向き
書  名:ケロケロきょうだい
作  者:たかおかゆうこ さく
刊  行:2021年4月

たおかゆうこさん

こどものともシリーズでは、2020年3月の『ちいさなふたりのいえさがし』がとても印象的でした。小さな世界を描く絵本が多い気がします。あと、ぼくの好きなアリソン・アトリーの短編が入っていた『クリスマスのりんご』の挿絵もそうですね。何気に、ぼくは高尾さんの絵本をたくさん持っています。『くるみのなかには』(講談社)は表紙だけで買ってしまいました。
多摩美術大学卒業。アメリカのミシガン州やドイツのシュトゥットガルトに住んでいたこともあるそうです。

・『がまくんとかえるくん』文化出版局

この絵本を紹介したくなりますね。

最後のページに絵描き歌があるので、紙と鉛筆のご用意を!

大人と違い、こどもは物語の中に入り込んで絵本を楽しむ力があります。かえると同じ大きさで、彼らと同じ気持ちになって、仲間の一員になって、物語の世界に入っているかもしれません。読み手も、そんなこどもたちの力を借りて、絵本の世界を楽しむことができます。かえるになったら、世界は違って見えるだろうなぁ。


こどものとも 2021年4月号

バルバルさんと おさるさん

バルバルさんは床屋さんです。たまに動物たちもカットしにやってくる不思議な床屋さんなのですが、ある日、おさるさんが仕事を手伝いにやってきました。バルバルさんが頼んだわけじゃないのに毎日通ってきます。このなぞは、最後まで読むとわかります。

シリーズ:こどものとも
書  名:バルバルさんと おさるさん
作  者:乾栄里子 文 / 西村敏雄 絵
刊  行:2021年4月

乾栄里子さん 文、西村敏雄さん 絵

このお二人、ご夫婦なのです。西村敏雄さんは、こどもが生まれるまではテキスタイルデザイナーをされており、乾さんがお子さんに絵本を読んでいるのを聞いて、絵本の魅力を知り、絵本作家になろうと決めたそうです。お二人とも、いまは大活躍されています。きっかけが、ご自身のこどもから始まるっていうのがとてもいいですよね。

・『バルバルさん』福音館書店
・『バルバルさん きょうはこどもデー』福音館書店
・『もりのおふろ』福音館書店

髪を切るハサミ、と言いたいところですが、気をつけなければ、自分で前髪を切り出す自体にもなりかねません。わが家の娘は、見ていない隙に自分で前髪を散髪して大惨事でした。

すでにバルバルさんをご存知の方も多いのではないでしょうか。1作目の『バルバルさん』が出版されたのは2003年。そのころバルバルさんに出会った人は、もう20代になっているはず。今回はシリーズ3作目になります。初めてバルバルさんに出会う方、他の2冊も是非手にとってみてくださいね。


たくさんのふしぎ 2021年4月号

ひと粒のチョコレートに

たくさんのふしぎは、小学生向けに作られています。ぼくはとても好きで、たくさんのふしぎのにわかコレクターでもあります。今回のテーマは「チョコレート」です。あんなに美味しいものが自然の中からどうやって作り出されてきたのか、その不思議を解き明かしてくれます。junaidaさんの絵に乗せて、表紙も板チョコレートになっていますね。ぼくは息子に毎晩たくさんのふしぎを読んでいます。長いんですけどね……。

シリーズ:たくさんのふしぎ
書  名:ひと粒のチョコレートに
作  者:佐藤清隆 文 / junaida 絵
刊  行:2021年4月

佐藤清隆さん 文
広島大学名誉教授。工学博士で専門は食品物理学。チョコレートのような食品油脂の分野で活躍している方です。チョコレートの研究とか楽しそうですね。研究室は甘い匂いがしてそう。

junaidaさん 絵
1978年生まれ。画家。京都在住。福音館書店から『Michi』『の』『怪物園』を出版している。サンリードから出版されている『Hug』が一番好き。いつか庭ビルで原画展が開催できないか……。絵本に限らず活躍されていますが、junaidaさんの絵本は出るたびに気になっています。

・『チョコレート工場の秘密』評論社
・『ガラスの大エレベーター』評論社

読んでいると、板チョコレートが食べたくなります。

チョコレートのことを調べだすと、その先に気になることがたくさん出てきます。それを読むことから初めて、少しずつ調べていくと、いろんな世界に出会えます。こどもの好奇心の小さな種を育てるつもりで。なかなか難しいんですけど、それができると楽しいです。


母の友 2021年4月号

大人も子どももーどうしたらいい?

今の時代のコミュニケーション

いつのまにかキャッチコピーが新しくなっていました。今月からですかね。「子どもは大事、わたしも大事、幼い子と共に生きる人への生活文化誌」です。さて、今年はどんな母の友が届くのか楽しみです。三宮麻由子さんに、鈴木コージさん、きくちちきさんと、お会いしたことのある方々が多く登場していて嬉しい号です。それにハンバートハンバートの佐藤良成さんが父の友(いろんなお父さんが登場する連載)に登場していて、それも嬉しい。今の時代のコミュニケーションを、アタッチメントを中心にまとめてあります。相変わらず読み応えたっぷりです。

    2020年度月刊絵本のご紹介