2020年度月刊絵本ご紹介

こどものともシリーズは、福音館書店が発行する月刊絵本です。毎月、定期的に絵本が届きます。2020年度に発刊された2020年4月号から2021年3月号各誌をご紹介しています。2021年度は、「お楽しみガイド」として、更に月刊絵本を楽しむための連載を始めましたので合わせてご覧ください。


2020.9

BY TOWA FUJITA / AYAKO ARAKI
こどものとも 0.1.2.

あぱそこぱーん

こぺんなな さく

カラフルな絵とタイトル。表紙を見ただけでわくわくしませんか?ページを開くと次々に不思議な絵と意味はわからないけどリズムがよくって楽しい言葉。ふふふって笑いだしたくなるし、言葉が頭から離れなくなります。赤ちゃんも声を出したり、指をさしたり、体を動かして楽しんでくれます。言葉の意味は分からなくても、読んでいる人たちだけに分かる共通の言語です。生活している中で「あぱそこぱーんみたいだね」なんて会話が出てくるととても楽しいですね。(TF)

こどものとも年少版

じいじと ぼく

池谷陽子 さく

くまのじいじを私の父と重ねて読んでしまいました。孫たちが遊びに来ると一緒に川へ行ったり、山へ行ったり。山で見つけたラズベリーをジャムにして。遊んであげているのではなく一緒に楽しんでいる姿がとてもいい。だから孫たちもじいじが大好きです。この絵本のくまのじいじとぼくも、とても嬉しそう。読んでいるだけでその2人の間に流れる温かく和やかな空気が伝わってきて、同じ空間にいるような幸福感に包まれます。一緒に絵本から出てくる幸せを感じながらお話を楽しむことができるのはなんと素敵なことでしょう。(TF)

こどものとも年中向き

つきの かがやく よる

古内ヨシ さく

しろくまのとうちゃんとぼく、夜に2人で満月のしたで魚釣り。とびっきり特別な日です。ぼくが「とうちゃん とうちゃん」と話しかけると、とうちゃんがちゃんと答えてくれる。この親子のやりとりがとても素敵です。不思議なことが起きたり、ちょっとドキドキすることもありますが、過ぎてみればそれも大切な思い出になります。みなさんもこんなふうに家族全員じゃなくてたまには2人っきりでお出かけしてみてはいかがですか?きっと何年たってもお子さんが大人になっても特別な思い出として心に残るでしょう。(AA)

こどものとも

こめつぶぼうや

かなざわめぐみ さく

小さいこどもが階段を登っている様子は、さながら山登りをしているよう。自分の腰ほどの高さまで足を上げ、手をつき、果敢に挑戦する姿が私は好きです。こども達から見ると全てが巨大で、大人は巨人。このお話に出てくる「こめつぶぼうや」は7人家族の末っ子。そしてこの家族は米粒大の大きさで、人間の家の柱の穴に住んでいます。穴から降りてきて人間のご飯を頂戴するのですが、それはもう大冒険なわけです。ある日、こめつぶぼうやは米びつの閉じ込められてしまいます。運命やいかに?!(AA)

ちいさなかがくのとも

どこから きたの?

木坂涼 ぶん / 川上和生 え

昨日まで1匹もいなかったのに急にたくさんの仲間と一緒にすい すい すーいと飛んでいるトンボ。飛んでいる姿を見ているととても気持ちよさそうです。景色もとても綺麗に描かれていますし、もちろんトンボも細かいところまで描かれています。この絵本を見ていると本物のトンボを観察したくなります。札幌にもそろそろトンボが来ますね。トンボを見ると秋だなぁ~と思いますが、さて夏の間はどこにいるのでしょう?その秘密は木坂さんの素敵なトンボの思い出と一緒に折り込みふろくに書いてあります!(TF)

かがくのとも

ヤママユ

まゆを つくる むし
岩渕真理 さく

野坂さんに昨年お会いして、制作中の『うきくさ』の話を聞いて楽しみにしていました。いやはや、いままで浮き草のことなんて全然考えたことなかった。根があるけど、浮いている植物ってとっても不思議。そして、流れに身を任せていろんなところに旅をしているんですね。小さな世界に目を止めて、それをこどもと一緒に分かち合う。それって、簡単なこともあるし、なかなか難しくて大変なこともあります。このうきくさはとっても大変だったはずです。来月、野坂さんにまたお会いするので、その話をじっくり聴いてみます。(SF)

たくさんのふしぎ

イカは大食らい

吉野雄輔 文・写真

この本を読んで、「イカって綺麗!」とはじめて思いました。イカと聞くと、どうしても食べるイメージで、お刺身、お寿司、いかめしなどを思い浮かべてしまい、泳いでいる姿はなかなか頭に浮かびません。水族館でもあまり見ないので、泳いでいる姿が想像できないのも当たり前かもしれません。イカは、周りの場所に合わせて体の色を変えます。同じイカでもいる場所によって全然違う生き物に見えるのです。そしてこのタイトルにもあるように、イカは大食らい。相手に気づかれぬように体の色を変え、そっと近づいて素早く手を伸ばして仕留める優秀なハンターです。さてどんなふうに何を食べるのか?みなさん想像できますか?(TF)

母の友

不安とむきあう

学校や園が再開してから約2ヶ月が経とうとしています。外に出る時のマスクは習慣になり、人との間隔はあけて密を避け、換気を積極的に行い、手洗いうがいをこまめにする。半年前では考えられないことが起こりました。大人でも順応するのが大変なのに、自分のことをうまく表現できないこどもたちは、私たちの気づかないところでストレスを抱えているかもしれません。今月号の母の友は不安とどう向き合うか、こどものストレスについての特集です。(AA)


2020.8

BY TOWA FUJITA / AYAKO ARAKI
こどものとも 0.1.2.

かもさんおやこの おさんぽ

増田純子 さく

「こどものとも0.1.2.」でおなじみの増田純子さんの新作です。いつも色がパキッとしていて、目がパッチリ。絵本の中の登場人物と目が合ってしまいます。今回はカモの親子のお話です。増田さんが近所のおばあちゃんと散歩していたときに見たカモの親子が絵本のアイデアになりました。お昼寝から起きたらお母さんも兄弟も誰もいない。不安になってお母さんを呼ぶとお母さんがちゃんと迎えにきてくれます。絵本を読みながら、取り残されてしまった子がもに気持ちをのせて一緒にドキドキして、そしてお母さんがくる場面では一緒に安心感を感じます。絵本を楽しんだら川にカモを見に行くと絵本の世界がさらに広がって楽しいですね。(TF)

こどものとも年少版

せっせ せっせ

花山かずみ さく

私はこどもが夢中になっている姿が好きです。静かになり、まばたきが減り、口をキューッと一文字にして黙々と取り組みます(親からみると夢中になっていることが必ずしも微笑ましいことばかりではありませんが……)。この絵本の女の子もせっせ せっせとお山をつくります。その夢中な様子が周りのこどもたちに伝染し、みんなで大きなお山をこしらえます。絵本の中のこどもたちがとてもいい顔をしていますし、お山をつくり終えた後の満足した顔がまたいいんです!(TF)

こどものとも年中向き
さくぴーとたろぽうのおはなし

おばけのおんがく

東郷聖美 さく・え

ようやく手元に届きました。待ちに待った『さくぴーとたろぽうのおはなし』の続編『おばけのおんがく』です。夜、布団に入ると部屋の中はシーンとしていて外の音が良く聞こえてきます。不意に不思議な音が聞こえてきたことないですか? 最初はなんともなかったのに、怖いことが自然と思い浮かんで、だんだん不安になったり怖くなった経験が私にはあります。実はその不思議な音の正体はおばけが奏でる音楽だったのです。不気味なものが迫ってきそうだけど、それがおばけの演奏だとしたら、「おばけはどんな音楽を演奏するの?」と一気に興味が湧いてきます。さくぴーとたろぽうとたくさんのおばけたちが音楽会に向けて練習しています。おばけの音楽は怖い音を出すことが大事。でもたまにかわいい音も聞こえてきます。表紙の裏には楽器の説明、裏表紙の裏には音楽会のプログラムがのっていて、細かいところにまで楽しませてくれます。今度から夜に不思議な音が聞こえてきたらこれはきっと「おどろおどろしいタイコ」かもしれませんよ。ワクワクしながらおばけたちの音楽に聞き入ってしまいそうです。(TF)

こどものとも

ひふみよ かぞえうた

土橋とし子 作

表紙だけで、この絵本はとてつもなく面白いということがわかってしまいます。作者は土橋とし子さん。『ありのあちち』『ひょうたんハウス』『アオッチとキーコ ひみつきちにいく』の作者です。『ひょうたんハウス』と『アオッチとキーコ ひみつきちにいく』は続編になっています。ペーパーバックでしか読めませんが、是非探して読んでみてください。 「ひふみよ」は古い日本の言葉=大和言葉の数え方「ひとつ、ふたつ、みっつ、よっつ」の頭の文字をとったものです。ページをめくると、ひとつの〈ひ〉が最初につく言葉が並んで、言葉のリズムがとてもいいのです。語呂も面白いので音で覚えてしまいます。出てくる言葉と絵はつながっているので、読むたびに絵からたくさんの発見があり、それに気がつくととても嬉しく、繰り返し読むたびにわくわくします。十分楽しんだら自分でオリジナルの「ひふみよかぞえうた」をつくってもたのしいですね。 こどもと楽しむときは、先に言葉に出して練習してからをお勧めします。絵本屋でも初見ではつまずいていました。噛まないように十分練習することをおすすめします。(TF)

ちいさなかがくのとも

せみの ぬけがら

高柳芳恵 ぶん / 城芽ハヤト え

セミの抜け殻を見たことありますか? セミよりも簡単に見つけられます。木の枝や根元にあって、本物の虫のように見えますが、触ってみると空っぽ。種類によって姿形も違うし、じっくり眺めると半透明できれい。セミの抜け殻には不思議がいっぱいです。北海道でセミを見る機会は、春と夏の少しの期間。みなさんはセミの抜け殻を見たことありますか? 幼虫が脱皮した殻なのでもちろん中身はいませんが、他の虫の脱皮した殻は柔らかくて形が残らないのに比べ形がしっかりしているので一見本物の虫のようにも見えます。殻だけど怖いと感じる人もいる一方で、作者のようにセミの抜け殻の魅力に虜になってしまう人もいます。抜け殻には不思議がいっぱい。セミの種類によって形や色、大きさも様々です。絵本のなかでも色々な種類のセミの抜け殻が描かれているのでよ~く観察して見比べて見てくださいね。セミの抜け殻特有のぎざぎざがついた大きいあしは服や指にもくっつくので絵本に出てくる兄弟のように皆さんも楽しんでください。(AA)

かがくのとも

カンガルーのふくろ

中島良二 さく

カンガルーのふくろは、温かくておっぱいがあって安心できる、あかちゃんのおうち。生まれてすぐ自力でふくろに入り、ふくろから顔を出すのは140日を過ぎるころ。でもまだ顔を出すだけで、外には出てこないんですって。お母さんが食べるときも、寝るときも、移動するときもずーっとお腹の中。そういえば我が家のこどもたちも、段ボールや押入れ、洋服ダンスに入ったりと狭い場所が好き。カンガルーとも共通する、動物的な本能なのかしら。(AA)

たくさんのふしぎ

空があるから

杉本憲彦 文 / 金子幸代 絵

外を眺めると空が広がっています。その空には雲があり、目には見えないけれど大気があります。大気がなければ人間は生きてはゆけません。「よし、息をはこう。むむ苦しくなってきたぞ、そろそろ吸おう」なーんて考えている人はいないと思います。それくらい当たり前にある大気について、わかりやすく書いてある一冊です。 大気ってなに? どうやってできたの? どんな役割があるの? そんな疑問に答えてくれます。読んでみると、地球は奇跡の連続で今に至っていることに心を動かされます。地球温暖化が問題視される今日この頃、一家に一冊是非どうぞ。さて最後に、私たちが透明な大気を感じる方法があります。本を読んで試してみてくださいね。(AA)

母の友
絵本作家のみなさんとー

今、家の中のたのしみを考える

今回の母の友も魅力的です。新型コロナウィルスによって自粛生活を余儀なくされました。そんななか絵本作家さんたちはどのように自粛生活を過ごしていたのか、そして家の中で楽しい時間を過ごすヒントが書かれています。それも書いているメンバーが豪華!小西英子さん、五味太郎さん、中川李枝子さん、スズキコージさん、林明子さんまだまだいます。こんなこと思いつかなかった!というような家の中での楽しみ方もあり、それぞれ個性もあって本当に面白くてにやにやしながら読んでしまいました。他にも「だるまちゃんとあそぼう!」というかつて母の友に掲載されたものが載っていたり、100%ORANGEさん特製の「買い物しようすごろく」も付録でついてきます。(TF)


2020.7

BY TOWA FUJITA / AYAKO ARAKI
こどものとも 0.1.2.

みてるのだーれ

松岡達英 さく

目が合うって素敵なことです。じっと見つめられると、なかなか目をそらすことができません。人と話すときも目を見つめます。見つめ合うってことは通じ合うってことなのかしら。表紙をめくるとタンポポの草かげからのぞく、2つの黒く小さいつぶらな瞳。「みてるのだーれ」。その目はこちらをじーっと見つめています。この絵本をめくるとたくさんの生き物たちが、きみのことをじーっと見つめていますよ。(TF)

こどものとも年少版

だれか いるみたい

イチンノロブ・ガンバートル 文 / 津田紀子 訳
バーサンスレン・ボロルマー 絵

かくれんぼや間違い探しは好きですか? 何かを発見することって嬉しいことです。そして、その体験は、安心や喜びに繋がります。見つけたときにはその喜びを共有したいですね。この絵本もたくさんの発見があります。隠れている動物は何か予想したり、動物の数を数えたり1ページ1ページをゆっくり楽しみながら繰り返しよんで、新しい発見があったら一緒に喜びましょう。モンゴル出身夫妻の絵本。絵から異国の香りがしてきます。(TF)

こどものとも年中向き

わたしは せいか・ガブリエラ

Me llamo Seika Gabriela
東郷聖美 さく・え

わが家で東郷聖美さんといえば、プリンが大大大好物で一度に何個も食べちゃう少し忘れっぽいひいおじいちゃんと、孫のりつくんの何気ない日常の会話がなんとも優しい絵本『ひーじー』。この本では、東郷聖美さんの娘、5歳の「せいかちゃん」が、日本とボリビアのいろいろな違いを教えてくれます。せいか・ガブリエラちゃんのお父さんはボリビア人、お母さんは日本人です。それぞれの国の違いが日本語とスペイン語で書いてあります。我が家の息子は、「せいかがぶりえらってなあに? どういう意味?」と興味津々。「"こんにちは"はスペイン語で"Hola"っていうんだって」「ボリビアの犬はひとりで散歩するんだって!それって散歩なの??」といろんな発見があります。普段はなかなか触れることのないスペイン語。その音と文化を親子で楽しんでみてはいかがでしょうか。(AA)

こどものとも

へらへらおじさん

佐々木マキ

へらへらしたおじさんの物語。前作は、災難に会いっぱなしの『へろへろおじさん』の物語でした。「へろへろ」と「へらへら」は、全然ちがいます。人生に災難はつきものです。でもこのおじさんは、ずっとへらへらしているのです。いったいなぜでしょう? 竜巻に巻き上げられたり、ワニに靴を食べられたり、次々に災難が起こるので、次は何が? まだあるの? とページをどんどん進めたくなります。当の本人がへらへらしてるので可哀想と思う暇もなく笑ってしまいます。へろへろおじさんも一緒に楽しんでくださいね。(TF)

ちいさなかがくのとも

つぶつぶ ころん

すずきかいか ぶん / 堀川理万子 え

おばあちゃんの家に遊びに行った女の子が、おばあちゃんの家の庭に咲いていたお花をもらって帰ってきました。花瓶に飾っておいてたら、次の日、花瓶の周りには黒いつぶつぶがおちていました。掃除してもまた次の日に見たら落ちているつぶつぶ。その正体は一体なんでしょう? 人から教えてもらうのではなく自分で観察して、考えて、何かを発見することはとても嬉しいことです。この本の見返しにはお花のような模様が描かれています。でもこれ、お花ではないのです。答えを見る前になにか予想してみてくださいね。答えを知ってびっくりします!(TF)

かがくのとも

まる!

佐藤雅彦+山本晃士ロバート(ユーフラテス)

これは不思議な絵本です。この絵本に向かって言葉を言うと、絵本の中の人たちが言った通りの動きするのです。そんなことありえないと思いましたか? まずは絵本を開いて「まる!」と大きな声で言ってみましょう。「ピタゴラスイッチ」の企画、映像制作をしている2人の作品。この2人の絵本はいつもワクワクします。絵本を読んだ後は、家族で絵本と同じように言った通りの動きをして遊びたくなるはずです。かがくのともには毎回折り込み付録が付いています。今回は虫たちがオリンピックをしています。それぞれの競技のスペシャリストが勢ぞろい。オリンピック観戦を始めましょう。(TF)

たくさんのふしぎ

街のネズミ

原啓義 文・写真

その昔、あるお家に遊びに行った時のことです。私はお茶をご馳走になり、ダイニングテーブルで数人の知人と過ごしていました。しばらくすると、私の座っている2メートルほど先を黒い影が横切りました。おや? と思っていると、そのあとも右に左にチョロチョロしています。その時は姿を見る前に、その影は家を出て行きましたが、どうやらネズミだったようです。今月のたくさんのふしぎはなかなか見かけることのできない街のネズミの写真がいっぱいです。写真を見ると思わず「かわいい」と呟いてしまうことでしょう。ネズミの生き生きとした姿、必死に生きる姿が写し出されています。街中でネズミを探してみたくなりますよ。ところで私の祖母や両親は東京に住んでいます。札幌にいる私は、コロナの自粛期間中にオンライン帰省をしました。その時に祖母が「銀座もね、人はもぬけの殻でね、ネズミが我がもの顔でウロチョロしているのよ。ゴミをあさったりしているの」と話していました。なんともタイムリーな今月号でした。(AA)

母の友

身近な自然を感じる

こどもと自然を楽しむことはハードルが高いと感じる方もいるかもしれません。今回の特集では、意気込まずにただただこどもと一緒にのんびり自然を楽しむヒントがたくさん書かれています。自然がもっと身近なものに感じられそうです。絵本作家、西平あかねさんの童話や齋藤槙さんの絵本のお話など今回も見どころ満載な母の友でした。(TF)


2020.5

BY SUSUMU FUJITA
こどものとも 0.1.2.

あ、むしさん

みやもとともみ さく

今年の春は、少し早くやってきそうです。ちょうちょたちは、いつ頃から飛びはじめるのでしょう。乳児は新鮮な感性で季節と出会います。飛んだり丸まったり、うねうね動いていたりする小さな虫たち。立ち止まってじっくり出会わせてください。大人にとっては、馴染みのある虫たちでも、こどもたちにとっては、また全然違うふうに虫たちと出会っています。家の前で、まったり日向ぼっこをしている間に、我が家のこどもたちは、ありを見つけたと騒いでいました。まだ少し早い気はするんですけど、どうやら本当に見たみたい。虫を見つけて喜ぶ感じは、とてもいいなぁと一緒にありを探したのですが、なかなか見つけられず。絵本で、虫たちとの出会いを楽しむ。そういう楽しみも絵本ならでは。

こどものとも年少版

どんな おしごと するのかな?

小輪瀬護安 さく

車が好きなこどもたち。また素敵な本ができました。君たちは、見るだけじゃなくて、車になってしまったり、乗り回して遊ぶのが好きでしょ。だから、働く車がどんなふうに仕事をしているのかもわかるようになっています。車が好きな男の子たちは、車と同じ目線になって、車で遊んでいたりします。車になりきることができるんだなぁ、なんて感心しますが、ぼくもそのうち、見てるだけじゃなくて、その楽しみ方を取り戻して、車になりきったおじさんになってみたいなと思ったり。やっぱり、はしご車ってかっこいいなぁ。ぐういぃぃぃーん。ぼぼぼぼっぼー。絵本は、こどもと気持ちを通じあわせたり、こどもの気持ちを発見することができるから、ぼくは好きです。

こどものとも年中向き

ビーズくん

殿内真帆 さく

主人公は、きいろいビーズくん。ビーズくんはあるとき、自分に空いている穴のことが気になりだしました。お父さんに聞いてみると「つながるためさ」と教えてくれました。ビーズくんは穴のあいた仲間を探しにいくことにします。答えを探しにね。殿内さんの作品は、いろんなところが気になって絵本を隅々まで見てしまいます。そして、平面と立体の表現が混ざり合う感じがとても秀逸。この絵本を読んだら、前作を含め、彼女の作品も一緒にこどもたちと楽しんでほしいなぁ。ぼくは、同じく福音館書店の『とけいのあおくん』が好きです。『くびかざり』も面白かったなぁ。

こどものとも

ぼくのつり

菅暸三 原案 / かんかおる 作

ぼくは小さい頃、おじいちゃんとよく釣りにいっていました。朝、まっ暗いうちから起きて、石狩湾新港へ。投げ釣りだったり、チカみたいなサビキ仕掛けだったり。鮭釣りなんかもしたなぁ。川釣りもたくさんしました。この絵本も、埠頭での釣りがテーマになってます。釣りがしたことある人は、「わかるー!」となるはず。もし体験したことがなければ、どうにかして、朝一で釣りに出かける体験をしてほしいなぁ。ぼくは、息子と今年どこかで行く計画を立てることにしました。いや〜、本当にこの絵本とおんなじ体験してました。著者の父親が書き残した原案をもとに書き上げたこの作品は、なんだかとっても心が揺さぶられる強さがあります。絵本って、こどもに語りかける力強さがあると、きちんとこどもたちにも届くから不思議です。

ちいさなかがくのとも

ふくろうのこ おっこちた

あかしのぶこ さく

シマフクロウのお話です。道民にとっては、よく聞く馴染みのフクロウかもしれません。北海道とその周辺にしかいない世界最大級のフクロウなんですよ。ちいさなかがくのともは、身近にあるふしぎに気がつかせてくれるシリーズです。フクロウも子育てをし、卵から孵ったヒナが巣から初めて飛び立つ日があります。そんな雛の気持ちになってみると、シマフクロウの「気持ち」が少しわかった気になります。絵本は、そんな気持ちを物語と絵を通して、自分ひとりの空想を超えて、こどもと共有しながら、体験することができます。フクロウも襲われることがあるし、フクロウに襲われる生き物もたくさんいます。こどもたちの日々の成長のなかにも、いろいろな出来事がありますが、絵本はそのことにも改めて気がつかせてくれる魅力があります。

かがくのとも

すてきな ボタンシャツ

五味太郎

ボタンがあると押したくなる。これは、あるから押したくなるというどうしようもないことのように思ったりもします。「押しちゃダメ!」なんていう方が難しいことだな、と大人もわかっているけど、こどもにむやみやたらに押されちゃ困るのも事実。保育園や幼稚園の入り口にあるドアの開閉ボタンなんか、まさにそうですよね。こどもたちも、押したいけど押しちゃいけないボタンだと思って、グッと我慢してたりするものです。押してもいいボタンがあったら押したいし、押したら起こること(ドアが開いたり、ジュースが出てきたり、切符が出てきたり)は、自分で空想の中で自由に決めてしまうってことでもいいから、ともかく、ボタンを押すってことにワクワクしてたりするものです。見ちゃいけないものを見ちゃう衝動と同じ。そんな、こどもたちの願いを叶えてくれる一冊です。五味さんの目の付け所はやっぱりこどもを見ているなぁ。

たくさんのふしぎ

ポリネシア大陸

野村哲也 文・写真

世界はとっても広いけど、思わぬところで共通点が見つかったりする。それが、どういうわけでそっくりなのかを考え始めると、この距離を移動できたんだろうか?交流があったのだろうか?それとも偶然なんだろうか?と、疑問がふつふつと湧いてきます。でも、大昔に空の星や海流を頼りに、簡易な船で海へ漕ぎ出した人たちがいたことは確かなことです。船を漕ぎだす時には、どんな気持ちだったのか考えちゃうんですよね。一冊読むだけで、たっぷり旅をした気分になりました。

母の友
もう休もう

眠りと夢の大事な役割

5月号も興味深い連載が満載で、面白いなぁと眺めています。これからじっくり読むところ。知人が連載に登場していたり、今月も読み応えがたっぷりです。


2020.4

BY TOWA FUJITA
こどものとも 0.1.2.

ぴったりこ

木坂涼 文 / 及川賢治 絵

動物のお母さんとあかちゃんがぴったりこ。4月は新しいことがたくさん。お父さん、お母さんが忙しそうにしているのを見て不安になったり、初めて行く保育園・幼稚園で緊張したり。そんなこどもたちにやさしく寄り添います。絵本を読んで安心。そして実際に大好きな人とぴったりくっつくと安心。出てくる動物はたちは、動物園でも馴染み深い動物ばかり。指をさして動物の名前、鳴き声を真似しながら絵本を楽しんでもいいですね。

こどものとも年少版

ケーキ

小西英子 さく

とっても美味しそうなケーキ。こどもにとってケーキは特別で憧れの食べもの。見ているだけでわくわくします。ケーキが完成したページになると、お子さんは絵本に手を伸ばして食べる真似をしてくれます。「美味しいね」「甘いね」「すっぱいね」など声をかけてあげてくださいね。この絵本を見て、一緒にケーキを作ったり、本当に作らなくても、ケーキを作るごっこ遊びが楽しくなります。

こどものとも年中向き

もぐたさんのたんぽぽさんぽ

小野寺悦子 文 / 伊藤夏紀 絵

絵本から春の暖かさ伝わってきます。春になったら嬉しくて、春を見つけにお出かけしたくなりますよね。絵本を読んでいると春をたくさん見つけることができます。この絵本、リズムがとても楽しく歌うように読んでしまいます。読んだあと、お散歩しながら口ずさみたくなります。たんぽぽが咲く季節になったら、もぐたさんと同じようにお弁当を持って「んぽんぽんぽぽ」と口ずさみながらお出かけしてみてください。

こどものとも

こいぬのこたろう

鍋田敬子 さく

こたろうは元気な子犬。ベランダから外をみていると猫を発見。その猫を追いかけようと外へ出ます。色々なものに興味をそそられどんどん進んでいきます。この絵本を読んでいると、こどもたちがお散歩している姿が思い出されます。地面や道端にたくさん気になるものがあってキョロキョロと、あっちに寄り道こっちに寄り道。こたろうとおんなじです。でも、こたろうは絵本の中でしかできないような危険な冒険もしちゃいます。日常ではできない、そんな冒険をドキドキしながらこたろうと一緒に楽しん

ちいさなかがくのとも

ちょうが すきなもの しってる?

松岡達英 さく

春になったら、蝶々がたくさんひらひら飛んでいます。いろんな種類の蝶々がいるけれど、それぞれの蝶々は好きなものも違うみたい。この絵本を図鑑みたいに持ち歩いて散歩すると楽しいかもしれません。「あ!蝶々だ!」と言うよりも、もっと詳しくなって、「あれはモンシロチョウ!」と種類がわかった方が散歩がもっと楽しくなりそうです。

かがくのとも

むしとりあそび

井上大成 ぶん / 中田彩郁 え

意外と知らない虫の捕まえ方。やみくもに捕まえていませんか?それぞれの虫に特徴があるので、その虫に合わせて捕まえ方や持ち方も違います。なので、まずは虫のことをよく知ることが大切なようです。この絵本をよ〜く読んで、実際にやってみてください。虫のことをよく知ると、虫ともっと仲良くなれそう。お友だちにも教えてあげたら、物知り博士と言われるかも!

たくさんのふしぎ

アラスカで一番高い山

デナリに登る
石川直樹 文・写真

山登りは自然の中に入っていって、体の中の空気が入れ替わるようでとても気持ちがいいです。しかしデナリのような高い山に、しかも冬に登るとなると、様々な危険が伴います。危険があると承知で登る。そこまでしても登りたいと思うような魅力がデナリにはあるようです。美しい写真とともに、どんなところか想像しながら楽しんでください。

母の友

新しい生活 新しい人間関係

4月は入園・入学でこどもの人間関係のこと、まま友とどう付き合ったらいいのか?など様々な不安があります。そんな不安にQ&A形式で答えます。どのような心づもりでいたらいいのか、どのように行動したらいいのか、ということが的確に書かれています。そして絵本作家、五味太郎さんの絵本についてのインタビューもとても興味深いです。なんと付録で『きんぎょが にげた』のモビールキットがついています。



    2021年度月刊絵本お楽しみガイド