#007

不思議なアオバト

by HIRAKU SENZAKI

アオバト Treron sieboldii 2018.06 Hokkaido


「ぽっぽっぽ〜、ハトぽっぽ〜♪」と謡われるように、日本では古くからハトは身近な鳥として知られています。北海道には主に3種類のハトが生息しています。1つ目は街中でもよく見かける灰色のドバト。年中見られますが、実は野鳥ではありません。ドバトは、大陸に生息するカワラバトという種を品種改良したもので、日本には大和〜飛鳥時代に持ち込まれて放されたものが、明治以降に定着したと言われています。2つ目は、茶色いキジバトです。ヤマバトとも呼ばれ、市街地から山地、畑地などで普通に見られます。「デデッポッポー」と聞こえる声を聞いたことある人も多いはず。そして3つ目が、今回ご紹介するアオバトです。北海道ではキジバトとアオバトは夏鳥として渡来し、冬季は温暖な本州以南へと渡っていきます。

アオバトは名前の通り、全身緑色をしたハトです。よく見るとお腹は白っぽく、嘴は水色をしています。雄は肩が紫色ですが、雌は緑色という違いがあります。ドバトやキジバトよりも森に生息し、山地でよく見られます。植物の葉が生い茂るこの季節、その体色は保護色としてとても有効で、じっとしているとまったく目立ちません。しかし鳴き声はとても特徴的です。その声は「オー、アオーアオー、アーオー……」と聞こえ、ある人は発声練習している人の声だとか、トロンボーンの音のようだと言い、江戸時代には「尺八ばと」と呼ばれていたとか。初めて聞くと、とても鳥の声とは思えません。

声はすれども姿は見えず、なアオバト。実は簡単に出会える場所があります。それは山ではなく、なんと海!アオバトは、夏には群れて海岸を訪れ、岩礁や砂浜に降り立ち、ごくごくと海水を飲みます。ミネラルを補充するためと言われていますが、詳しいことはわかっていません。他にも、数多く生息しているにも関わらず、繁殖生態がほとんど解明されておらず、謎に包まれた不思議なハトなのです。変わった声に不思議な生態。この夏は、アオバトを探してみてはいかがでしょう。