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都会暮らしの仲間たち②

by HIRAKU SENZAKI, photo by AIKO SENZAKI

オオセグロカモメ Larus schistisagus Wakkanai Hokkaido


港などで漁師さんたちに「ゴメ」と呼ばれて親しまれている身近な鳥、カモメ類。実は国内に30もの(亜)種が見られることや、平均寿命が20歳程と長生きで、30歳を超える長寿記録もあるなんてことはあまり知られていません。今回は「ゴメ」の中でも、普通に見られる「オオセグロカモメ」を紹介します。道内の港や海岸で見かける機会が多い本種は、日本からロシア周辺のいわゆる極東地域にしか分布しておらず、世界的にはとても貴重な種類なのです。札幌市内では20年程前からビルの屋上などで繁殖を始めたことが話題となっており、ここまで内陸部に進出するのはとても珍しいことです。そんなオオセグロカモメが、何かの拍子にふらっと世界旅行に出かけようものなら、旅先で彼(あるいは彼女)を見つけた「Guller」(※1)達は大興奮することでしょう。

道産子にとっては身近な彼らも、2017年に改訂された北海道レッドリスト(※2)では準絶滅危惧種に指定されてしまいました。原因には、餌である魚の減少や、天敵であるオジロワシの増加、さらに人が放したネコやアライグマによる捕食の影響が考えられています。ふと気がついた時にはトキやシマフクロウのように絶滅に瀕していた……なんて未来にならないことを願うばかりです。

※1 特にカモメ類を好むバードウォッチャーの総称。海外においても、とてもコアなファンが多い。

※2 道内に生息・生育する野生生物のうち、植物、哺乳類、鳥類、両生類・爬虫類、魚類、昆虫の各分類群について、絶滅の恐れのある種に選定されたもの。